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昨日、ホテルチェーンのクライアントから、『実施しているすべてのリスティング広告をすぐに取りやめたい。』という連絡がありました。
なぜ今!?
とお思いでしょうが、この話は氷山の一角に過ぎず、今後この夏に向けて広告ができないクライアントがたくさん出てきます。
ACのCMはいつまで続くのでしょうか?
私は、夏までは続くのではないかと覚悟をしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話を進める前に、最初にご理解をいただきたいのは、今回のエントリーは決して世の中に不安を与えるためではなく、『備えあれば憂いなし』の観点からお伝えするものなので、不快な方、意見が違う方はこの時点で離脱してください。
フィクションとして捉えていただければ幸甚です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は、優秀なアドマンは、危機管理のできる人であるべきだと思っています。
これから、世の中がどのように進むのか、こんな時期こそ最善の場合のコミュニケーションプラン、最悪の場合のコミュニケーションプラン、そして真ん中の王道をゆくコミュニケーションプランを描き、提案できるものこそが、クライアントの信頼を得ることができます。
そんな中、最悪のシナリオを考えてみると、今回の地震と津波の影響で被災した方々や企業の皆様については、時間が解決をしてくれるはずだと信じています。
皆前向きに頑張っているので、日本再生の日は遠くないと思っています。
しかし、福島原発の問題があるから、事が簡単に済みません。
29日の参議院予算委員会で、菅総理は、「福島原発の廃炉については、専門家の意見を聞いて決めるが、その可能性は高い。」と発言しています。
最悪のシナリオは、今後の電気の供給は、今のこの状態にしかならないということなのです。
仮に、別の方法で、電力の供給を図っても、この夏には間に合わないでしょう。
夏は、今の1.3倍の電気消費量になるそうです。
こういう状況が想定できた場合、アドマンは、どのような行動を取るべきなのでしょうか?
素早い情報収集が必要になってきます。
それができれば、CMを再開できる時期が見えてきます。
ボーっとしている場合ではありません。
まだACが続いているな。いつまで続くんだろう。。。
などと、何も考えないアドマンは、悪いけど見込みがないので転職した方が良いですよ。
たとえば、飲料・アルコールを担当している方にヒントです。
キリンさんやアサヒさんの被災状況をみると、キリンさんは仙台工場と取手工場が被災し、稼働不能になっています。
アサヒさんは、福島工場と茨城工場が同様です。
この状況で、両社の商品供給量はどれくらいになるのでしょう。
前年比でほぼ60%くらいになるはずです。
ここをまずヒヤリングできる人間関係にありますか?
私は、正直言って、正確な数字を把握しております。
但し、企業秘密なので、アバウトな数値に置き換えています。
次に、仮に60%の生産量で、夏場が来たらどうなりますか?
今までなら、工場フル稼働で何とかやりぬくかもしれません。
しかし、電気の供給量が今のように計画停電もある中で、追い付かなくて、たとえ工場が動く状態になっても、この夏はフル稼働は不可能でしょう。
また、別の観点から、
ビールやジュースは決してビール会社だけで作られているのではありません。
たとえば、ビールのラベルは、大日本印刷や凸版印刷が納品しています。アルミ缶や段ボールなども別々の会社から入ってきます。ペットボトルの材料も、それを成形する会社も、いろいろな工場が絡んでいます。
この中のひとつでも被災していれば、その材料を供給する工場の復旧に時間がかかり、その工場もまた、夏にはフル稼働できない電気供給環境が付きまといます。
こういう環境下になれば、売れる商品の供給は前年比60%から70%になってしまいます。
商品が店頭にないのに、広告をやるクライアントはありません。
だから、おのずから、広告予算は前年比6~70%になってしまいます。
また、商品特性から言いますと、飲料は自動販売機・コンビニ・スーパーなどがメインの販売チャネルです。
皆さんは、TVの広告やWebを見て、これをぜひ飲みたい!と決めて、その飲料を買いに行っていますか?
大手の飲料会社の半数は自動販売機で売れています。
全国に100万台以上を展開するコカコーラ、2位がSuntory40万台程度、3位KIRIN20万台程度(数量は推計)です。
これらは、広告をやってもあまり意味がありません。
自販機の中での選択になるからです。
ただし、コンビニやスーパー、自販機の他社連結などは、競合も存在します。
しかし、この時の皆さんの飲料選択は『高速チョイス』と言うべき、とても瞬間的に、感性で選ぶことが調査でわかっています。
その時に、「ソーシャルメディアマーケター美咲」に書いてあったように、「本格的な茶葉採用によるまろやかさ」というジャスミン茶の機能価値など届くわけもなく、ましてやソーシャルメディアのコミュニケーションコンセプトである「がんばる女子のリセット茶」なんてマスターベーションも良いところです。
この本については、あまりにもツッコミどころが多いので、ここではやめておきますが、この本を真に受けてソーシャルメディアを考えても、クライアントに笑われますよ。
飲料は、広告をどのようにすべきかは、上記購買行動を取るための対応策として、TVスポットでの認知強化とPOPでの現場訴求が一番なのです。
また、TVスポットをやる大きな理由はもう一つあります。
自販機に入れておくだけで本来は売れるわけですから、飲料メーカーは争って自販機の確保に走りました。
しかし、スーパーやコンビニでの販売も半数以上を占めているのですから、ここに置いてもらう必要があります。
そのためには、スーパーやコンビニのバイヤーに、「TVスポットをこの期間に3000GRP投下するので3列置いてほしい。」と棚取りをするのです。
残念ながら、今はまだ、Yahooのブランドパネルをどれくらい出すと言っても通用しません。
以上の環境から、予算の少ない商品はベンダー商品となり、広告をしないで自販機で売ることになります。
予算のかけられるお茶・コーヒーなどは主力ブランドをTVスポット中心で広告展開していきます。
今まで、『ちょっと予算があるので、ネットでの展開も考えてよ。』というオファーは、飲料に限って言えば、今後は減ってくるものと思います。
私は、以前からの持論ですが、飲料こそネットでのコミュニケーションは、プロダクトブランドではなく、コーポレートブランドを展開すべきだと考えています。
なぜなら、半数はベンダーで売れていることと、瞬間的に選ぶとき、「KIRINの水だから」とか「KIRINのジャスミン茶だから」というように、会社の品質の信頼性が高まれば、高速チョイスでは有利だからです。
ちょっと余談も増えてしまいましたが、飲料で生産が6~70%まで落ち込んだ場合、広告はテレビを中心に6~70%台の投下になり、あとの商品はベンダーで売るので広告はしない。
という流れを最悪のシナリオで描くことができました。
車・家電・食品など他の業種のクライアントも同様な状況であれば広告業界はさらにタフな1年になりそうです。
では、最後に、こんなシナリオの時に、アドマンは何をすれば良いのでしょうか。
まずは、会社としても、この環境を理解するために、各アドマンがクライアント情報を正確に調べ上げることが重要です。
広告会社は、クライアントの機密情報をたくさん掴んでいます。
私もADK時代に、新商品開発もKIRINさんと一緒にやっていたので、翌年の商品ラインナップも理解しておりましたし、何より自分が担当した新商品以外のものがいつ出るのかもスポット発注で事前に把握しています。
だからこそ、アドマンの一番大切なことは、守秘義務の順守なのです。
そんな関係ですから、この時期に、クライアントの被害状況や復興計画、予定していた新商品の発売状況の確認などを正確に行います。
これができれば、まず、ACはいつまで使うのかが見えてきます。
そして、天下の電通さんは、世界最大の広告会社としての人脈を使って、「経済産業省」「東電」「各メディア」などの復興計画や今後の事業計画などをヒアリングしているはずです。
漏れ聞くところによると、すでに、その特別チームが稼働し、4月以降9月までの半期を前年比60%にシュミレーションをしているという情報もあります。
おそらく、これだけいつまでもACが流れ続けているのは、クライアント側も商品供給の段取りで精一杯で、いつから出荷できるとか、具体的に見えないことが原因だと思います。
なので、今からでも遅くはありません。
まずは、クライアントの情報収集をしてみてください。
そして、こんな状況下ではどんな会社も数字は上がりにくいので、こんな時こそクライアントに信頼されるように、クライアントの役立つ情報をたくさん仕入れて、伝えてくることです。
これがやがて、強い信頼になり、好転した時にはたくさんのご褒美出稿が約束されていると思います。
そうならなかった時は、それは、自分の努力が足りなかったと思ってください。
他社のアドマンもあなた方以上に頑張っているはずですから。
以上、ご参考になれば幸甚です。
この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
私、望野和美も、自分なりに復興支援できるものはないかを考えてきました。
節電や買い占めをしない・義援金への参加など、出来ることをやるのは当たり前として、「私だからできること」を考えてきました。
炊き出しの参加や物資輸送なども、確かに私でもできます。
しかし、広告代理店の視点から考えると、支援するにも「らしさ」が重要だと思っています。
その人らしさ。
その企業らしさ。
の、支援です。
それが信頼される「ブランド」認識となって、ひとのこころに蓄積されていくのです。
震災という特殊な環境だから理解しにくいかもしれませんが、震災を日常に置き換え、私を企業に置き換えてみます。
企業はいつも社会の一員としての責任を担っています。
(私も日本国民としての責任を担っています。)
だからこそ、CSRというものがあり、社会貢献をしていくことにより、社会の信頼を得て、ブランド強化がされていきます。
(だからこそ、復興支援に参加し、お前も日本国民の一員だと信頼されたいと思っています。)
CSRというと、社会貢献をすればいいと考え、極端な話、道の掃除でもすれば会社は信頼されると考えがちです。
しかし、ただ、良い会社だと思われればCSRが達成されるわけではありません。
その企業らしさが見えるCSRでなければ、ブランド強化はなされません。
その結果、せっかく道の掃除をやったのだけれど、しばらくすると、どこの会社がやってくれたのかを忘れてしまいます。
繋がりがないからですね。
それでは、Suntoryが水をキレイにする活動をしていたらどうでしょう。
ご存じの通り、Suntoryは、水を使った飲料の会社です。
ブランドメッセージ(ブランドプロミス)は、『水と生きる』です。
水にお世話になりっ放しの会社です(笑
だからこそ、この会社が地球上でできる社会貢献は、水に関するものがベストになります。
なるほど!
Suntoryらしいねえ。
となるわけです。
これが、CSRの根底にある考え方です。
Webでも「水と生きる」コンテンツがしっかり用意されています。
前置きが、とても長くなりました。
スミマセン。
こんな考え方から、今回の震災に関しての、私なりの復興支援は何ができるかを考えました。
私は、所詮広告しか知りません。
だからこそ、広告のスキルを使って、義援金を捻出する方法を模索しました。
その結果、行きついたのは、広告業界で働こうと思っている学生さんたちのお役に立って、その学生さんたちの感謝の気持ちを義援金という形で収めていただき、復興支援に役立てたいと考えたのです。
これなら、過去にいろいろな方々のご子息や親せきの学生さんのレクチャーを頼まれているので、私しかできないこともあると思いました。
偉そうなことを言っても、学生さんたちからは、私の話が価値ある話かどうかわからないでしょうから、ざっと自己紹介をさせていただきます。
これで、魅力がなければお代はいただきません(笑
私のキャリアは、日本の広告業界で、誰ひとりいないと思います。
1.総合広告代理店で、マス4メディア・OOHの媒体セールス営業担当。
イベントや店舗開発などのセールスプロモーション営業担当。
マーケ・CM制作などのブランドAEおよび海外ブランドAE
2.上記担当をHONDA・KIRINという日本の広告費上位10社のうちの2社を
30年間メインで担当し、電通・博報堂のトップチームと業界トップの
争いを経験
3.社団法人日本広告主協会(現アドバタイザーズ協会)Web広告研究会の
初代事務局長として、インターネット広告にかかわるすべての業種300社が
加盟する組織で、最大1年間に50テーマのセミナーを司会をやりながら最前線
のネット事情を勉強。
広告代理店・ネット広告代理店・マス4メディア・ネットメディア・OOHなどの関係を総合的に理解できているのは、日本では私以外にあまり出会ったことがありません。
その他、ビール業界にキャンペーンガールを提案し、初代飯島直子から米倉涼子など、13代のキャンペーンガールを選出してきました。
そのオーディションを実施しながら磨いたスキルは「面接に絶対落ちないポイント」が見えたことです。
ADKでは、部長職時代に、入社試験の面接官もやりました。
これが、私のセルフブランドです。
経歴はこちら
今回、私がやろうとしているのは、「広告業界 実戦!就活相談室」です。
就活セミナーは、腐るほどありますね。
ADKの面接をしていた頃感じたのですが、皆が同じセミナーを受講してから面接に来るので、笑っちゃうほど受け答えが同じです。
皆さん、間違ってはいけません。
広告業界に入りたいのなら、まず、自分の個性をどのように見せつけるかが重要です。言い換えれば、面接はたった5分のプレゼンテーションです。
何を聞かれるかの対策を立ててくるようでは、その時点で落ちますよ。
「何を伝えて帰ってこれたか」が重要なのです。
そんなことから、
1.広告代理店の仕事について、実戦的な話を聞きたい。
2.面接に受かる方法を聞きたい。
という方を募集いたします。
堅苦しく考えないでくださいね。
私も特別資料を用意するつもりもありません。
知り合いのところに来るような感覚で、オープンなセミナーでは聞けない現場の魂のこもった話が聞きたい方だけご参加ください。
まだ、どんなニーズがあるのかも把握できていないので、4月1日以降に集まった人たちの人数を考えながら進めていきたいと思っています。
日程:4月1日以降 週に1回程度 数年間継続(私の気力次第)
時間:1回当たり2時間程度
場所:弊社銀座事務所
一回当たりの想定人数 3~5人
受講料:無料
但し、1回のディナーか飲み会代程度の復興支援義援金の
ご協力をお願いします。
※飲み物もご持参ください。
食べ物は禁止ですw
お申込み:info1@amviy.jp 望野宛にメールでご応募ください。
・お名前
・大学名 学部名 学年
・ご相談、ご要望など をご記入ください。
お約束:もし、この相談室が有意義だと思っていただいたら、お友達を
ご紹介ください。復興支援の輪を広げたいと考えております。
参加者決定は、基本的には先着順と致します。
メールをいただいて、3日以内には必ずご連絡をいたします。
最後に、
ボランティアの二次災害は言語道断です。
自分達でライフラインを圧迫してしまうことも理解しましょう。
自分達も力になりたいと思うのなら、日常生活の中で『居ながらにして』自分にしかできないことを『継続的に』やりながら復興支援に努めるべきだと考えています。
困った時にはお互い様ですが、ずっとそばにいてあげられないのだから、『自立支援』を促すことが一番良い方法だと思っています。
それに邪魔にならないのは「お金」です。
このような考え方に共感していただける学生さんだけを集めたいと思っています。
お気軽にお申込みいただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
私は、ADK時代に「本当の優秀な営業は、売上を上げた人ではない。クレーム処理が早くできる人だ。」と部下にいつも言っていました。
事実、売上が上がるのも、クライアントの予算がうまく拡大したり、新規顧客が当たったりという外部的な要因も多々あります。逆に言えば、クライアントが倒産をしてアカウントを失うことは、営業の責任にしてはかわいそうでしょう。
仕事をしていれば、必ずクレームはあります。
クレームは実は、クライアントとの深いキヅナ作りには最高のチャンスです。
「誠意をもって、対応する」ことが大切です。
その事例をひとつ。
私は、年末・年始とGWは必ずハワイに7泊することを決めています。
ヒルトンのタイムシェアでコンドミニアムを7泊単位で借りるからです。
私には、写真の愛犬ハルがいますが、もう、何年も同じペットホテルに預けているので、ペットホテルの人たちからも愛されていました。
今年も、いつもの通り、ハルをホテルに預けて、娘と二人でハワイに向かいました。
ホノルルに到着し、いつものヒルトンについて、荷物をばらしている時でした。
私の携帯が鳴りました。
そこには、あってはならないペットホテルの名前が・・・。
私「もしもし?」
H「〇〇ペットホテルですが、望野さんの携帯ですか?」
私「はい。ハルに何かあったんですか!?」
H「誠に申し上げにくいのですが、昨日、ハルちゃんがお亡くなりになりました。。。」
私「えっ!!(絶句)」
しばらく、次の質問も声も出ませんでした。
私「何があったのですか?」
H「昨日、お預かりした後に、お散歩に連れて行きました。帰ってきて、ドッグランを横切ってお部屋に入ろうとした時、暗かったのでわからなかったのですが、ドッグランに大型犬の黒のレッドリバーがおり、係りの者が抱いていたハルちゃんを見て興奮し、係りの者の手を噛み、倒れたはずみにハルちゃんが地面に落ち、大型犬に10回以上噛まれました。」
「すぐに、動物病院に搬送したのですが、即死でした。。。」
私「。。。今は、混乱しているので、ちょっと時間をください。状況はわかりました。」
電話を切って、娘を見ると、娘は、私の口から出る言葉を予想していました。
「ハルが・・・。」と言った途端に、ワッと泣きだし、手がつけられません。
日本にいる下の娘に真っ先に電話をしていました。
下の娘も号泣しながら私に電話の向こうから訴えてきます。
その側で、本当に仲良しだった4歳の孫も大泣きをしていました。
どれくらいの時間が経ったでしょうか。
今日から、ハワイでのんびりして・・・、などという気分はすっかりどこかに行ってしまい、逆にハワイにいることさえ恨めしく思えました。
娘と二人でラナイでボーっとしていました。
ただ、私たちは、このままで一週間過ごすわけにもいきません。
まずは、今後どうするかを決める必要がありました。
娘は、ずっと泣き続けています。
「おまえ、これから一週間、ずっと泣き続けていく気か?」
「今回の旅行をずっと泣き続けて過ごすことも旅行の過ごし方」
「気持ちを早く切り替えて、旅行は精一杯楽しむことも、同じ時間の過ごし方」
「おまえは、オレが死んだら、毎日泣いて暮らすのか?」
「そんなことはオレは望まない。たとえ、おまえが旅行中であったとしても、それは帰国せずに楽しんで帰ってきてほしい。」
「娘の笑顔が親の何よりの望みだ。もし、オレが死んだら、なるべく早く忘れて笑顔で過ごしてほしい。」
「だから、おまえが今回ハワイで練習したかったゴルフを明日から毎日やろう」
「ハルのことは、帰国してからしっかり供養すればいい」
そういって、二人で翌日からゴルフを毎日やりました。
毎日、ゴルフから帰ると、ネットでペットホテルとのやり取りです。
まずは、顛末書を作れと指示し、二度とこういうことが起こらないような対策も明記してほしいと依頼しました。
翌日、しっかりドッグランに照明を2機追加すること、ドッグランに犬か残っているかどうかの表示板を制作することなどが報告されました。
次に、葬式の準備をしなければなりません。
夜は、ネットで家の近所のペット葬儀場を探し、棺桶も決めて、段取りをすべてホテルに委託しました。
ホテル側は、すべての過失を認め、免責ではないことも確認して、何でもしっかりやってくれました。
ただ、私が帰国する日には、葬儀が間に合わないことがわかりました。
翌日は、もう、娘も仕事が入っていて、どうにもなりません。
そのようなメールをやりとりしていたら、ペットホテルがわざわざ葬儀屋まで行って、打ち合わせを詳細にしてくれて、当日の帰国後にそのまま実施できる段取りにしてくれました。
ここまでのホテル側の対応は、完璧です。
そのうち、私も気がつきました。
ホテルの人達は、ハルが噛みつかれたところを目撃しています。
おそらく、誰よりも動物が好きだから選んだ職業なのでしょう。
そう思うと、彼女たちの方が苦しかったり悲しかったりするのかも知れないと思い始めました。彼女たちの傷の方が深いのかも・・・と。
娘たちは、そういう話にはうなずきませんでした。
そして、帰国の日がやってきました。
成田空港には、一緒に預けた私の車ともう一台ワゴン車が迎えに来ていました。
1月13日の真冬の寒空に、二人の女性スタッフの方々が、喪服一枚で外で頭を下げて待ち続けていました。
側に行くと、目を真っ赤にしています。
私は、何も怒れなくなりました。
事故から一週間、会ったらどんな言葉から入ろうかと思っていたのですが、あの姿を見たら、怒りは遠のき、同じ家族のような気持ちになりました。
簡単なお詫びの言葉を聞きながら、
「とりあえず、自宅で喪服に着替えて、もうひとりの娘をピックアップして葬儀場に行くので、先に行っていてください。」とお願いをし、帰宅を急ぎました。
娘や孫を乗せて葬儀場に彼女たちとは1時間遅れくらいで着くと、その駐車場には、7人の女性スタッフが、寒空の中、頭を下げて待っていました。
全員が、「申しわけありません。。。」と泣きながら謝るのです。
私は、案内されて、ハルの眠っている祭壇に行きました。
お棺の中で、私がリクエストした通り、眠っているような体制のハルがいました。
スタッフの女性たちが、「私たちもハルちゃんをお見送りしてよろしいでしょうか?」と聞いてきたので、「もちろんです。ハルも喜ぶでしょう。」と部屋に案内しました。
すると、4歳の孫が「じいじ、ハルに手紙書いてきたから、ハルに渡していい?」と聞くので、お棺の上に一緒に乗せました。
すると、女性スタッフの方が
「あのぅ、お願いがあります。私たちも全員が手紙を書いてきました。ハルちゃんに渡していただけませんでしょうか。」と言ってきました。
「もちろんですよ。ありがとう。」と受け取りました。
そこで、二人の娘と孫を呼び、
「いいか?今後一切、この方たちを恨むな。この方たちは、私たち以上にハルのことを思ってくれている。これでノーサイドだ。いいな。」
と言いました。
二人の娘もそれは充分に伝わったようでした。
すぐに、理解をしました。
女性スタッフの方々には、
「皆さんも今回の事故はショックだと思います。でも、この仕事を嫌いにならないでください。ハルは運命だったと思います。この事故で、ハルから教えてもらったこともたくさんあります。そして、皆さんが、今までどれだけハルを大切に預かっていただいていたのかがとても理解できました。次回、犬をまた飼う時には、ぜひ、また御社に預かっていただきたいのですが、よろしいですか?」
とお話をしました。
スタッフの方々も「喜んでお預かりさせていただきます。」と言っていただきました。
その後、ネットで訴訟の相場を確認し、損害賠償と慰謝料を請求しましたが、私の言いなりに支払っていただきました。
今、これだけの時間が経って、ようやく、このことを振り帰られるようになりました。
そして、ハルの死を無駄にしたくはなかったので、強いロイヤルカスタマーを作り上げるには、クレームは良い機会なのだということを皆さんに実感を持っていただければと思い、こうして公開することにしました。
事故は、どんな仕事でも起こります。
だからこそ、スピードを持って、誠意ある対応をすれば、顧客とのキズナは深くなります。そうして、こうして推薦者にもなります。
あえて、ホテル名は伏せましたが、成田でのペットホテルをお考えの方は、ご連絡をいただければ紹介します。
皆さんのお仕事の少しでも参考になればと思いました。
追記
今年のゴールデンウイークは、ハワイに行くのをやめようと決めました。
先日、ペットホテルに相談をして、何カ月からの子犬を預かってくれるのか聞いたところ、6カ月以降の方が理想だというので、3月中に子犬を買っても間に合いません。
今週から、ペットショップめぐりをします。
楽しみです。
昨日投稿しました『テレビ広告分野に参入するセプテーニは成功するか?』は、大変な反響で、現在約3000名の方々にお読みいただきました。
その中で、
・テレビの展望はどうなって行くのか。
・なぜ、テレビは変わらないと考えているのか。
という疑問がお有りのようでしたので、今回は、そこを中心に補足してみます。
その前に、「テレビ広告はなくなる」というようなことを盛んに言っていたネット業界の方々が、盛んにテレビが進化して、あたかもテレビ中心の広告を自分たちもセールスしたいような発言が相次いだことは、とても意外であり、違和感がありました。
さて、テレビ業界の今後はどのように大きくかじ取りが行われていくのでしょうか?
私は、当面は「あまり変わらない」と思っています。
まず、地上デジタル放送の実施とアナログ放送2011年7月停波が発表されたのは、2000年頃だったと記憶しております。
それ以前には、BSデジタル放送が始まり、インタラクティブな番組が可能とあって、各局ともそれを前提とした番組制作もやりました。
ひとつの例として、BSフジではカジノ番組を制作し、視聴者がルーレットに賭けられるなどの番組を作りました。
資生堂は、すべてのBS局の21時に番組を購入し、ゴールデンタイムの一番いいところを買い占めました。
私は、KIRINを担当しており、ゴールデンに日本代表サッカー番組のKIRIN1社提供を始めました。
しかし、残念ながら、ビデオリサーチはBSの視聴率を対象外としていました。
従いまして、BSがどれだけ見られているのかわからずに、クライアントも提供を続けていました。
そんな中、KIRINでは、秋味の発売に合わせて、番組視聴者プレゼントを行いました。
この応募者が、驚くなかれ、ハガキ3枚しか来ませんでした。
通常なら、数万~数十万通来るものです。
そんなことから、クライアントはどんどん降りてしまい、BSデジタル放送は、各局のお荷物となってしまいました。
地デジが発表されて、すでに10年以上が経過しました。
地デジは、ハイビジョン・インタラクティブが売りでした。
この準備期間10年で、テレビ局から何か驚く施策は発表されましたか?
地デジ免許は、帯域を13セグメントし、4セグメントづつ使用した3チャンネルとあまり1セグメントが各局に与えられました。
ですから、地デジには、フジテレビ081.082.083の3つのチャンネルが使用できるようになっていますね?
そして、あまりの1セグメントはワンセグという放送形態で利用されています。
しかし、テレビ局は、3チャンネルをすべて同じ地上波のパラレル放送にしています。
また、ワンセグもパラレル放送です。
韓国は、ワンセグ専用の番組がたくさんあります。
ですから、801チャンネルを現状の地上波番組とし、802チャンネルをインタラクティブチャンネル、803チャンネルをショップチャンネルで放送することも可能なんです。
しかし、それすらやろうとはしていません。
テレビ局は、今のコンテンツを制作するので精一杯だからです。
制作費も無駄に使いたくはないからです。
ですから、スマートフォンやタブレットが普及しても、テレビは変わらないのです。
また、今後はスマートTVやgoogleTVも出てきますが、まずは、家庭のテレビがすべてネットに繋がっているという前提が必要です。
アメリカのように、ケーブルテレビが普及していれば、その回線の利用もできるでしょうが、このインフラを整えるのには相当な時間がかかります。
仮に、うまく普及したとしても、上記のテレビ局の考え方で、新しい展開が生まれるかどうかは疑問です。
ここで、大きく視点を変えてみます。
テレビ局は、なぜ、積極的に自分達を変えようとしないのでしょうか?
いろいろな理由がありますが、大きな理由として、「思ったほど給料は下がっていない」からです。
テレビ局の給料をご存知ですか?
公開されているもの以外にも期末調整金などが出て、以前はボーナスは年に4回ありました。
概ね40歳くらいになると2,000万円近くの年俸になります。
それが、1500万円くらいになっただけの話です。
確かに、この不況で、接待費や局内の電気・コピーなどの節約などもきつく言われるようになってきたようです。
しかし、広告代理店のコミッションの叩き合いと違って、テレビ局はスポットのマージンは確保でき、番組提供は代理店の買い切り枠も多々あり、代理店が苦しんでいても安定して収入が入ってきます。
TBSと楽天の資本提携の話は記憶にあるかと思いますが、結局、何もネット化で大きな変化はないじゃないですか。
私の長女は、3年前から某キー局のワンセグ番組を作っていました。
ある日本代表サッカーの試合で、空前の視聴率を上げた時、その局の幹部役員が、「ワンセグさえなければ、もっと視聴率が取れたのに」と話をしたそうです。
その後、ワンセグでいろいろな番組提案をしたのですが、ひとつも形にしてもらえず、やはり、テレビ局は地上波だけを大切にしていると感じた長女は、別の局で今はドラマ制作をやっています。
テレビの世界を知らない方は、私に将来の展望を聞かせてほしいとか、このまま沈むタイタニックなのかとか、ご意見をいただきましたが、テレビは日本の最大の娯楽です。
事実、最近はテレビスポット出稿も増えてきて、少しづつですが良い話題が出てきているのも、テレビ局にとっては安心材料でしょう。
第二日テレや有料オンデマンド放送などは確かにありますが、本来のテレビ広告料金と比較すると、効率のとても悪い営業活動になってしまいます。
こんな環境から、テレビ局はつぶれませんし、新聞社も3大新聞は生き残ります。
その反面、ネット業界は10年前に20代だった若い安い労働力が、昇給をして経営を圧迫していきます。
勝ち組はCAをはじめとする上位3社程度でしょう。
そういう意味では、セプテーニさんの今回のトライは、とても素敵なことだと思っています。
何もしないでいるよりは、新しい可能性にトライすることが重要だと思います。
若い皆さんも、テレビ局を目指して中から変えてみるとか、代理店を目指して番組やスポットを売ってみるとか、いろいろなチャレンジをしてみればいいと思います。
人生には無駄な時間は一切ありません。
私は、広告業界に入って、5年間はHONDAの看板担当でした。
全国のお店を看板屋さんと廻っていました。
毎日がイヤでイヤで、2回辞表を出しました。
でも、その時、売りは現場が一番真剣に考えていることを知り、代理店は何もできないので、人の手をいかにして借りられるかなどを勉強しました。
それは今、かけがえのない経験です。
ネット業界の皆さんが、その他立場で活躍すれば、上記内容は杞憂となって、テレビ業界も進化を遂げていくかも知れませんね。
頑張ってください!
『セプテーニ、ネットテレビ関連の広告事業を見据えた新会社を設立』のニュースに対して本日の私のtwitterでのつぶやきが、皆さんの関心がとても高かったようで、フォロワーがあっという間に200人増加しました。
ということから、こちらでゆっくり新会社「GRP」さんの今後のご活躍を検証してみたいと思います。
まず、業界の流れとして、押さえておきたいことがあります。
先日もtwitterでつぶやきましたが、ある中堅代理店のAEだったクライアントが、広告予算が減ったことと、ネットコミュニケーションを強化することで、サイバーエージェント1社体制に変更しました。
少なくもテレビ広告を投下した経験がある企業です。
おかげで、この中堅代理店は、柱であるクライアントを失うことになりました。
この事実は、今後拡大すると思われ、特に地方に本社を置く中堅企業は今後、こうした動きが活発になって行くと思います。
おそらく、セプテーニさん(今後敬称略)も、そのような流れから地方局の扱いなどが発生していたことも、今回のテレビ広告を視野に入れるきっかけの一つになったのかも知れませんね。
そういう観点で言えば、確かにクライアントに信頼されて、ネットからテレビまで任されるという流れができるので、チャンスだと思います。
ただ、今後のスマートTVなどの展開は、ネット代理店のノウハウは生かせる可能性は大ですが、それを扱うのはテレビ局ではなく、googleなどがプラットフォームになるため、現在のネット広告代理店の業務内で収まると思います。
今回のニュースでは、『まずは既存クライアントに関して、テレビ広告枠の販売に着手する』と書いてありますが、業界の本当の怖さを知らないようですね。
電通・博報堂・ADKクラスの営業は、久しぶりの出稿や見知らぬクライアントがテレビ広告を投下し始めると、真っ先にそのクライアントにアポを取ります。
そして、「弊社にお任せいただければ、この値段で実施できます。」というお決まりのセールストークでクライアントにすり寄り、扱いはいずれ上位3社、もっといえば電通に集約されることになります。
そこには、日本独特の事情があります。
日本のテレビ広告の商習慣は、コミッションです。
欧米は、フィーです。
正確に書いてしまうと問題があるので、仮の話にしておきますが、たとえばCXが15%のコミッションだとしましょう。
すると、この業界には「特契」なるものが存在し、1年間でそれぞれの局ごとに発注金額を契約し、その契約を上回ると18.20.25%とコミッションが増えていきます。
電通は、業界TOPの利率です。
博・ADKは、局によってはTOPもあり、電通より5%以上も低い局さえキー局に存在しています。
外資はフィーなので、どこの代理店の時給いくらの人間が、どれくらいその作業にかかわったかでフィーが支払われるだけなので、作業付加価値の質が明確に分かります。
しかし、日本の場合、値引きできる率が違うので、よほどの付加価値が見えない限り、コミッションの高い代理店が優位になります。
そこで、後発のネット代理店が、特契まで行きつくことはあり得ないでしょう。
ただ、ローカル局やラジオ局は大丈夫だと思いますが。
また、ネット代理店の方々が、簡単に参入できると思っているとそれは大きな誤解なのでお伝えしておきますが、テレビ局と番組やスポットを買ったりする場合には、各テレビ局にそれぞれ「保証金」を事前に支払わなければなりません。
この金額は半端じゃないですよ。
キー局では1局ごとに数千万円必要です。
関東全局に発注しようとした場合には、1億以上の保証金が必要です。
また、不動産などの不安定なクライアントの場合には、前金制になります。
このようなお金をキャッシュフローで用意できた企業のみが参入が可能になります。
なので、GRPの資本金は5000万円なので、当面は関東のテレビ広告の扱いは見込んではいないのかも知れませんね。
※3年間で売上100億を見込んでいるのなら、関東が入らないと無理ですが。
さらに、テレビスポットの枠は、どのように買い付けるのでしょうか?
ROIが測定できないと言いますが、それではどんな基準で買っているのでしょうか?
これを理解するには5年はかかると思います。
指標としては、GRP・金額・Aタイム単価などの発注方法がありますが、それぞれで見るべき指標が変わってきます。
一般的にはGRP発注か金額発注が多いのですが、その場合、1%コストが基準になります。
視聴率1%がいくらなのかを契約します。
それを足し上げたものがGRP(グロス・レーティング・ポイント)です。
GRP発注であれば、『関東3000GRP』という発注になり、金額はそれぞれの局の契約1%コストをかけ合わせれば、合計金額が出ます。
これは総視聴率を重視した発注形態です。
逆に『関東2億5000万円』と発注するのが金額発注です。
この場合、3000GRPに届かないかもしれませんし、オーバーするかも知れません。
ただ、予算を重視する発注形態です。
両方に指標として隠されているものは、AタイムGRPの割合です。
これをA-GRPシェアと言います。
AタイムのGRPが多ければ多いほど良い案だと言えます。
それは、Aタイムはテレビの前に約2人、その他の時間は約1.2人しかおらず、同じGRPとして換算されるからです。
ですから、この指標も大事になります。
その他、掛け率とかAタイム本数などの指標もありますが、こういう数値をたくさん参考にしながらクライアントは判断しています。
こういう説明をしているとテレビ広告のバイイングは簡単に見えますね。
ですから、テレビスポットの作案は、人件費の安い外国で作業させるべきなどと考えている人もいます。
しかし、テレビスポットは、リアルタイムでテレビを見ている人でなければ良いものは売れません。
まず、番組の内容がわからないでしょう。
本当に優秀なテレビスポット担当営業は、キリンラガー・淡麗生・のどごしの作案が全く違うことを理解しています。
しかし、それを理解できているのは、KIRIN社に出入りしている営業でも1~2名でしょう。
概ねは、テレビ局から出てきた案を2~3本動かしてもらい、クライアントに持って行く程度だと思います。それでは、誰でもできますね。
テレビスポットの作案は、クライアントのターゲットをしっかり理解していなければなりません。
ラガーを好む人は、年齢層は高く、値段はビールで高いので、年齢の高い人で所得の高い人が好む番組に広告を流すべきです。
のどごしを好む人は、値段を重視し、ブランドに対するこだわりが低いので、若い人や低所得者が見る番組に投下すべきです。
また、目玉番組(裏番組にサッカーなどの高視聴率番組が来ても、視聴率は落ちにくい番組)に必ず入れてもらうように局と交渉をする(私はHONDAを担当していた頃、局担当ではなく営業なのに直接局にお願いに行っていました)などの作業が本当の付加価値を生み、安いだけでは担当代理店を代えられないようになります。
代理店は、スポットバイイングの付加価値が値引きではないことをしっかり理解すべきです。
ここは、代理店があまりにも勉強不足で、相手と戦う手法を「暴力」すなわち「値引き」に頼ってしまい、自分の首を絞めている現状なのです。
最近は、電・博・ADKでスポットを叩き合い、コミッションが逆ザヤになるケースを出てきています。
あほか!
知恵で差別化しましょうよ。
こんな話をすると、じゃあやっぱりセプテーニ(GRP)にもチャンスはあるじゃないか!という人もいるかも知れません。
しかし、残念ながら、テレビ広告営業はそんなに簡単なものではありません。
何回も言うようですが、テレビスポットは付加価値が必要です。
それは、そのクライアントに適した視聴者構成の番組に、1本1本ていねいに放送するポジションを決めていかなければなりません。
テレビ局から出てくるのは、テレビ局の都合に合わせたカスタマイズされていない逆L・ヨの字、コの字、全日などのパターンのGRPを合わせたものだけです。
これを交渉によって、日付パランス・GRPパランス・目玉番組・18時23時ステブレの除去などをやって行かなければなりません。
それをやっていただくためには、局の方々とのキヅナをしっかり作って行かなければなりません。
お互いにきつい作業は協力し合い、クライアントに最適な作案を作って行くのです。
しかし、私が日本アトバタイザーズ協会Web広告研究会の事務局長を務めていた時は、ネット業界のたくさんの方々と深くお付き合いをさせていただきました。
また、私自身が現在の会社でたくさんのWebサイトやネット広告の投下などで、ネット専業代理店の方々と仕事をして思ったことがあります。
☆業界が若いので、仕事のマナーを教え込まれていない方々が多いですね。
この事例はたくさんあり過ぎますので困ります。
・クライアントにメールを出すのに、正式な肩書をしっかり書き入れず、
「~様」「~殿」など、ビジネスマナーも学んでない方々が多い。
・電話が来ても自分から切ってしまう。
・クライアント不在の場合、折り返しコールを頼んでしまう。
☆そんなことから、ビジネスに関しては
・クライアントに会いに行こうとしない。
・クレームは、メールで片づける。
・目上の人を目上だと思わない。(ソーシャルメディアでの会話)
※代理店はすべてがクライアントになりうるので、電車の中でも
ケンカはできません。
これを書き始めると、ネット業界の批判になってしまうので、それは本意ではないのでやめますが、特徴として、PCが得意だけにPCができる人が正しいと勘違いしている人種も多いです。
こういう人たちが、貸し借りやキヅナを重んじる人間臭いテレビ業界の人達とウマくやっていけるのでしょうか?
最後に、視点を変えてみます。
1.スマートTV・googleTVなどは、テレビがインターネットに繋がっていない
日本のインフラを考えると、まだまだ時間がかかる事業だと思います。
2.3Dテレビは、技術が進んでできたことではありますが、視聴者のニーズでは
ありません。
また、コンテンツが重要なので、地デジ化で投資したお金も回収できない
テレビ局は、少なくとも参入は遅れます。
3.地デジ化されて、双方向コンテンツは注目されていますが、テレビ業界は
BSデジタル放送でいろいろトライをして、双方向に魅力はないと思って
います。
私の持論は、「テレビはテレビ」。
娯楽の中心であり、情報伝達の中心的役割を担う。
所詮、寝っ転がって、だらけて見るもの。
この時に、文字放送画面をいじらせるとか、期待しても無駄ですね。
だって、皆さんもやらないでしょ?
あれば便利と思うものをすべて搭載すると、動けなくなるトラックのようなもの。
そんなことから、テレビの広告は代理店に任せて、ネット専業代理店は、ネット事業を中心に事業拡大をして言った方が利口だと思うのですが。
代理店だって、ネット広告なんかに手をつけようとするからおかしくなるんです。
そもそも、売っているものの値段が違うんだから、1000万の年収もらっている人が売るべきものではないと思います。
電通さんのように、オプトさんとしっかり組んでソリューション提供すればいいんです。
私はAEでしたから、クライアントからコミュニケーションのすべてを託された場合、ネットでの相談相手になってくれるセプテーニの優秀な営業がいれば、一緒にクライアントに行って、課題を解決します。
その責任は、AEである私にすべてあるのですから、それはディレクターとしてのコミッション(フィー)をいただくという形です。
広告代理店のブランドは、他社と違う特徴をクライアントが認識して初めて構築されるので、代理店の中でそれぞれ得意分野を探せばいいんですよ。
リトル電博が何社あっても、クライアントは必要だとは思わないはずです。
これは、あくまでも私個人の考え方です。
何かの参考になればと公開しました。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。