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昨日投稿しました『テレビ広告分野に参入するセプテーニは成功するか?』は、大変な反響で、現在約3000名の方々にお読みいただきました。
その中で、
・テレビの展望はどうなって行くのか。
・なぜ、テレビは変わらないと考えているのか。
という疑問がお有りのようでしたので、今回は、そこを中心に補足してみます。
その前に、「テレビ広告はなくなる」というようなことを盛んに言っていたネット業界の方々が、盛んにテレビが進化して、あたかもテレビ中心の広告を自分たちもセールスしたいような発言が相次いだことは、とても意外であり、違和感がありました。
さて、テレビ業界の今後はどのように大きくかじ取りが行われていくのでしょうか?
私は、当面は「あまり変わらない」と思っています。
まず、地上デジタル放送の実施とアナログ放送2011年7月停波が発表されたのは、2000年頃だったと記憶しております。
それ以前には、BSデジタル放送が始まり、インタラクティブな番組が可能とあって、各局ともそれを前提とした番組制作もやりました。
ひとつの例として、BSフジではカジノ番組を制作し、視聴者がルーレットに賭けられるなどの番組を作りました。
資生堂は、すべてのBS局の21時に番組を購入し、ゴールデンタイムの一番いいところを買い占めました。
私は、KIRINを担当しており、ゴールデンに日本代表サッカー番組のKIRIN1社提供を始めました。
しかし、残念ながら、ビデオリサーチはBSの視聴率を対象外としていました。
従いまして、BSがどれだけ見られているのかわからずに、クライアントも提供を続けていました。
そんな中、KIRINでは、秋味の発売に合わせて、番組視聴者プレゼントを行いました。
この応募者が、驚くなかれ、ハガキ3枚しか来ませんでした。
通常なら、数万~数十万通来るものです。
そんなことから、クライアントはどんどん降りてしまい、BSデジタル放送は、各局のお荷物となってしまいました。
地デジが発表されて、すでに10年以上が経過しました。
地デジは、ハイビジョン・インタラクティブが売りでした。
この準備期間10年で、テレビ局から何か驚く施策は発表されましたか?
地デジ免許は、帯域を13セグメントし、4セグメントづつ使用した3チャンネルとあまり1セグメントが各局に与えられました。
ですから、地デジには、フジテレビ081.082.083の3つのチャンネルが使用できるようになっていますね?
そして、あまりの1セグメントはワンセグという放送形態で利用されています。
しかし、テレビ局は、3チャンネルをすべて同じ地上波のパラレル放送にしています。
また、ワンセグもパラレル放送です。
韓国は、ワンセグ専用の番組がたくさんあります。
ですから、801チャンネルを現状の地上波番組とし、802チャンネルをインタラクティブチャンネル、803チャンネルをショップチャンネルで放送することも可能なんです。
しかし、それすらやろうとはしていません。
テレビ局は、今のコンテンツを制作するので精一杯だからです。
制作費も無駄に使いたくはないからです。
ですから、スマートフォンやタブレットが普及しても、テレビは変わらないのです。
また、今後はスマートTVやgoogleTVも出てきますが、まずは、家庭のテレビがすべてネットに繋がっているという前提が必要です。
アメリカのように、ケーブルテレビが普及していれば、その回線の利用もできるでしょうが、このインフラを整えるのには相当な時間がかかります。
仮に、うまく普及したとしても、上記のテレビ局の考え方で、新しい展開が生まれるかどうかは疑問です。
ここで、大きく視点を変えてみます。
テレビ局は、なぜ、積極的に自分達を変えようとしないのでしょうか?
いろいろな理由がありますが、大きな理由として、「思ったほど給料は下がっていない」からです。
テレビ局の給料をご存知ですか?
公開されているもの以外にも期末調整金などが出て、以前はボーナスは年に4回ありました。
概ね40歳くらいになると2,000万円近くの年俸になります。
それが、1500万円くらいになっただけの話です。
確かに、この不況で、接待費や局内の電気・コピーなどの節約などもきつく言われるようになってきたようです。
しかし、広告代理店のコミッションの叩き合いと違って、テレビ局はスポットのマージンは確保でき、番組提供は代理店の買い切り枠も多々あり、代理店が苦しんでいても安定して収入が入ってきます。
TBSと楽天の資本提携の話は記憶にあるかと思いますが、結局、何もネット化で大きな変化はないじゃないですか。
私の長女は、3年前から某キー局のワンセグ番組を作っていました。
ある日本代表サッカーの試合で、空前の視聴率を上げた時、その局の幹部役員が、「ワンセグさえなければ、もっと視聴率が取れたのに」と話をしたそうです。
その後、ワンセグでいろいろな番組提案をしたのですが、ひとつも形にしてもらえず、やはり、テレビ局は地上波だけを大切にしていると感じた長女は、別の局で今はドラマ制作をやっています。
テレビの世界を知らない方は、私に将来の展望を聞かせてほしいとか、このまま沈むタイタニックなのかとか、ご意見をいただきましたが、テレビは日本の最大の娯楽です。
事実、最近はテレビスポット出稿も増えてきて、少しづつですが良い話題が出てきているのも、テレビ局にとっては安心材料でしょう。
第二日テレや有料オンデマンド放送などは確かにありますが、本来のテレビ広告料金と比較すると、効率のとても悪い営業活動になってしまいます。
こんな環境から、テレビ局はつぶれませんし、新聞社も3大新聞は生き残ります。
その反面、ネット業界は10年前に20代だった若い安い労働力が、昇給をして経営を圧迫していきます。
勝ち組はCAをはじめとする上位3社程度でしょう。
そういう意味では、セプテーニさんの今回のトライは、とても素敵なことだと思っています。
何もしないでいるよりは、新しい可能性にトライすることが重要だと思います。
若い皆さんも、テレビ局を目指して中から変えてみるとか、代理店を目指して番組やスポットを売ってみるとか、いろいろなチャレンジをしてみればいいと思います。
人生には無駄な時間は一切ありません。
私は、広告業界に入って、5年間はHONDAの看板担当でした。
全国のお店を看板屋さんと廻っていました。
毎日がイヤでイヤで、2回辞表を出しました。
でも、その時、売りは現場が一番真剣に考えていることを知り、代理店は何もできないので、人の手をいかにして借りられるかなどを勉強しました。
それは今、かけがえのない経験です。
ネット業界の皆さんが、その他立場で活躍すれば、上記内容は杞憂となって、テレビ業界も進化を遂げていくかも知れませんね。
頑張ってください!
『セプテーニ、ネットテレビ関連の広告事業を見据えた新会社を設立』のニュースに対して本日の私のtwitterでのつぶやきが、皆さんの関心がとても高かったようで、フォロワーがあっという間に200人増加しました。
ということから、こちらでゆっくり新会社「GRP」さんの今後のご活躍を検証してみたいと思います。
まず、業界の流れとして、押さえておきたいことがあります。
先日もtwitterでつぶやきましたが、ある中堅代理店のAEだったクライアントが、広告予算が減ったことと、ネットコミュニケーションを強化することで、サイバーエージェント1社体制に変更しました。
少なくもテレビ広告を投下した経験がある企業です。
おかげで、この中堅代理店は、柱であるクライアントを失うことになりました。
この事実は、今後拡大すると思われ、特に地方に本社を置く中堅企業は今後、こうした動きが活発になって行くと思います。
おそらく、セプテーニさん(今後敬称略)も、そのような流れから地方局の扱いなどが発生していたことも、今回のテレビ広告を視野に入れるきっかけの一つになったのかも知れませんね。
そういう観点で言えば、確かにクライアントに信頼されて、ネットからテレビまで任されるという流れができるので、チャンスだと思います。
ただ、今後のスマートTVなどの展開は、ネット代理店のノウハウは生かせる可能性は大ですが、それを扱うのはテレビ局ではなく、googleなどがプラットフォームになるため、現在のネット広告代理店の業務内で収まると思います。
今回のニュースでは、『まずは既存クライアントに関して、テレビ広告枠の販売に着手する』と書いてありますが、業界の本当の怖さを知らないようですね。
電通・博報堂・ADKクラスの営業は、久しぶりの出稿や見知らぬクライアントがテレビ広告を投下し始めると、真っ先にそのクライアントにアポを取ります。
そして、「弊社にお任せいただければ、この値段で実施できます。」というお決まりのセールストークでクライアントにすり寄り、扱いはいずれ上位3社、もっといえば電通に集約されることになります。
そこには、日本独特の事情があります。
日本のテレビ広告の商習慣は、コミッションです。
欧米は、フィーです。
正確に書いてしまうと問題があるので、仮の話にしておきますが、たとえばCXが15%のコミッションだとしましょう。
すると、この業界には「特契」なるものが存在し、1年間でそれぞれの局ごとに発注金額を契約し、その契約を上回ると18.20.25%とコミッションが増えていきます。
電通は、業界TOPの利率です。
博・ADKは、局によってはTOPもあり、電通より5%以上も低い局さえキー局に存在しています。
外資はフィーなので、どこの代理店の時給いくらの人間が、どれくらいその作業にかかわったかでフィーが支払われるだけなので、作業付加価値の質が明確に分かります。
しかし、日本の場合、値引きできる率が違うので、よほどの付加価値が見えない限り、コミッションの高い代理店が優位になります。
そこで、後発のネット代理店が、特契まで行きつくことはあり得ないでしょう。
ただ、ローカル局やラジオ局は大丈夫だと思いますが。
また、ネット代理店の方々が、簡単に参入できると思っているとそれは大きな誤解なのでお伝えしておきますが、テレビ局と番組やスポットを買ったりする場合には、各テレビ局にそれぞれ「保証金」を事前に支払わなければなりません。
この金額は半端じゃないですよ。
キー局では1局ごとに数千万円必要です。
関東全局に発注しようとした場合には、1億以上の保証金が必要です。
また、不動産などの不安定なクライアントの場合には、前金制になります。
このようなお金をキャッシュフローで用意できた企業のみが参入が可能になります。
なので、GRPの資本金は5000万円なので、当面は関東のテレビ広告の扱いは見込んではいないのかも知れませんね。
※3年間で売上100億を見込んでいるのなら、関東が入らないと無理ですが。
さらに、テレビスポットの枠は、どのように買い付けるのでしょうか?
ROIが測定できないと言いますが、それではどんな基準で買っているのでしょうか?
これを理解するには5年はかかると思います。
指標としては、GRP・金額・Aタイム単価などの発注方法がありますが、それぞれで見るべき指標が変わってきます。
一般的にはGRP発注か金額発注が多いのですが、その場合、1%コストが基準になります。
視聴率1%がいくらなのかを契約します。
それを足し上げたものがGRP(グロス・レーティング・ポイント)です。
GRP発注であれば、『関東3000GRP』という発注になり、金額はそれぞれの局の契約1%コストをかけ合わせれば、合計金額が出ます。
これは総視聴率を重視した発注形態です。
逆に『関東2億5000万円』と発注するのが金額発注です。
この場合、3000GRPに届かないかもしれませんし、オーバーするかも知れません。
ただ、予算を重視する発注形態です。
両方に指標として隠されているものは、AタイムGRPの割合です。
これをA-GRPシェアと言います。
AタイムのGRPが多ければ多いほど良い案だと言えます。
それは、Aタイムはテレビの前に約2人、その他の時間は約1.2人しかおらず、同じGRPとして換算されるからです。
ですから、この指標も大事になります。
その他、掛け率とかAタイム本数などの指標もありますが、こういう数値をたくさん参考にしながらクライアントは判断しています。
こういう説明をしているとテレビ広告のバイイングは簡単に見えますね。
ですから、テレビスポットの作案は、人件費の安い外国で作業させるべきなどと考えている人もいます。
しかし、テレビスポットは、リアルタイムでテレビを見ている人でなければ良いものは売れません。
まず、番組の内容がわからないでしょう。
本当に優秀なテレビスポット担当営業は、キリンラガー・淡麗生・のどごしの作案が全く違うことを理解しています。
しかし、それを理解できているのは、KIRIN社に出入りしている営業でも1~2名でしょう。
概ねは、テレビ局から出てきた案を2~3本動かしてもらい、クライアントに持って行く程度だと思います。それでは、誰でもできますね。
テレビスポットの作案は、クライアントのターゲットをしっかり理解していなければなりません。
ラガーを好む人は、年齢層は高く、値段はビールで高いので、年齢の高い人で所得の高い人が好む番組に広告を流すべきです。
のどごしを好む人は、値段を重視し、ブランドに対するこだわりが低いので、若い人や低所得者が見る番組に投下すべきです。
また、目玉番組(裏番組にサッカーなどの高視聴率番組が来ても、視聴率は落ちにくい番組)に必ず入れてもらうように局と交渉をする(私はHONDAを担当していた頃、局担当ではなく営業なのに直接局にお願いに行っていました)などの作業が本当の付加価値を生み、安いだけでは担当代理店を代えられないようになります。
代理店は、スポットバイイングの付加価値が値引きではないことをしっかり理解すべきです。
ここは、代理店があまりにも勉強不足で、相手と戦う手法を「暴力」すなわち「値引き」に頼ってしまい、自分の首を絞めている現状なのです。
最近は、電・博・ADKでスポットを叩き合い、コミッションが逆ザヤになるケースを出てきています。
あほか!
知恵で差別化しましょうよ。
こんな話をすると、じゃあやっぱりセプテーニ(GRP)にもチャンスはあるじゃないか!という人もいるかも知れません。
しかし、残念ながら、テレビ広告営業はそんなに簡単なものではありません。
何回も言うようですが、テレビスポットは付加価値が必要です。
それは、そのクライアントに適した視聴者構成の番組に、1本1本ていねいに放送するポジションを決めていかなければなりません。
テレビ局から出てくるのは、テレビ局の都合に合わせたカスタマイズされていない逆L・ヨの字、コの字、全日などのパターンのGRPを合わせたものだけです。
これを交渉によって、日付パランス・GRPパランス・目玉番組・18時23時ステブレの除去などをやって行かなければなりません。
それをやっていただくためには、局の方々とのキヅナをしっかり作って行かなければなりません。
お互いにきつい作業は協力し合い、クライアントに最適な作案を作って行くのです。
しかし、私が日本アトバタイザーズ協会Web広告研究会の事務局長を務めていた時は、ネット業界のたくさんの方々と深くお付き合いをさせていただきました。
また、私自身が現在の会社でたくさんのWebサイトやネット広告の投下などで、ネット専業代理店の方々と仕事をして思ったことがあります。
☆業界が若いので、仕事のマナーを教え込まれていない方々が多いですね。
この事例はたくさんあり過ぎますので困ります。
・クライアントにメールを出すのに、正式な肩書をしっかり書き入れず、
「~様」「~殿」など、ビジネスマナーも学んでない方々が多い。
・電話が来ても自分から切ってしまう。
・クライアント不在の場合、折り返しコールを頼んでしまう。
☆そんなことから、ビジネスに関しては
・クライアントに会いに行こうとしない。
・クレームは、メールで片づける。
・目上の人を目上だと思わない。(ソーシャルメディアでの会話)
※代理店はすべてがクライアントになりうるので、電車の中でも
ケンカはできません。
これを書き始めると、ネット業界の批判になってしまうので、それは本意ではないのでやめますが、特徴として、PCが得意だけにPCができる人が正しいと勘違いしている人種も多いです。
こういう人たちが、貸し借りやキヅナを重んじる人間臭いテレビ業界の人達とウマくやっていけるのでしょうか?
最後に、視点を変えてみます。
1.スマートTV・googleTVなどは、テレビがインターネットに繋がっていない
日本のインフラを考えると、まだまだ時間がかかる事業だと思います。
2.3Dテレビは、技術が進んでできたことではありますが、視聴者のニーズでは
ありません。
また、コンテンツが重要なので、地デジ化で投資したお金も回収できない
テレビ局は、少なくとも参入は遅れます。
3.地デジ化されて、双方向コンテンツは注目されていますが、テレビ業界は
BSデジタル放送でいろいろトライをして、双方向に魅力はないと思って
います。
私の持論は、「テレビはテレビ」。
娯楽の中心であり、情報伝達の中心的役割を担う。
所詮、寝っ転がって、だらけて見るもの。
この時に、文字放送画面をいじらせるとか、期待しても無駄ですね。
だって、皆さんもやらないでしょ?
あれば便利と思うものをすべて搭載すると、動けなくなるトラックのようなもの。
そんなことから、テレビの広告は代理店に任せて、ネット専業代理店は、ネット事業を中心に事業拡大をして言った方が利口だと思うのですが。
代理店だって、ネット広告なんかに手をつけようとするからおかしくなるんです。
そもそも、売っているものの値段が違うんだから、1000万の年収もらっている人が売るべきものではないと思います。
電通さんのように、オプトさんとしっかり組んでソリューション提供すればいいんです。
私はAEでしたから、クライアントからコミュニケーションのすべてを託された場合、ネットでの相談相手になってくれるセプテーニの優秀な営業がいれば、一緒にクライアントに行って、課題を解決します。
その責任は、AEである私にすべてあるのですから、それはディレクターとしてのコミッション(フィー)をいただくという形です。
広告代理店のブランドは、他社と違う特徴をクライアントが認識して初めて構築されるので、代理店の中でそれぞれ得意分野を探せばいいんですよ。
リトル電博が何社あっても、クライアントは必要だとは思わないはずです。
これは、あくまでも私個人の考え方です。
何かの参考になればと公開しました。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
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