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AISCEASについて、AISASの後に発表をしたように思っている人が多いですね。
私は、どちらでも構いませんが、事実はちょっと違っています。
2003年に私は縁あって、社団法人日本広告主協会(現日本アドバタイザーズ協会)Web広告研究会の初代事務局長の命を受けました。
その当時のWeb研代表が、KIRIN真野さんだったからです。
それまでは、ADKのKIRINビールチーム(飲料チームは別)の営業統轄をしておりました。
私がADK(旭通信社)に入社した88年は、私の下にADKインタラクティブの社長横山君ともう一人の3名でした。
2001年に退社する時の私のチームは、ADKでNO.1の売上(約160億円)をあげており、KIRIN社の中でも電通・博報堂・大広・東急agさんなどを抜いて扱いはTOPになっていました。
当時は、ラガー・淡麗・秋味・中国国内ビール・業務用生ビールなどをブランドAEとして任されていました。
AEという言葉になじみのない方にご説明をしておきますが、アカウント・エグゼクティブの略で、外資の広告代理店はほとんどがこの形を取っています。
AEになるには、数年に1回の大プレゼンテーションでブランドを獲得しなければなりません。そのために、代理店は、担当していない年でもそのブランドを研究し続けます。
電通さんが担当していた時のラガーを私たちはずっと研究し続け、自主プレゼンと称して、マーケティング戦略やクリエイティブのプレゼンを繰り返しました。
晴れて(?)、クライアントが担当代理店に不満が出ると、コンペになります。
コンペでは3社から、ラガークラスになると8社くらいがオリエンテーションに呼ばれ、1社2時間くらいオリエンの時間をいただきます。
考えれば、オリエンする側も大変ですね。
それをもとに、約1カ月から1ヵ月半で、マーケティング戦略からコミュニケーション戦略、プロモーション戦略を組み立てます。
この時には、日本で著名なCM制作プロダクションは、ほとんどどこかの代理店と組んでプレゼン準備をします。
1998年にラガーを取った時のADKは、3社の著名プロダクションと組んで、社内プレを実施し、そこで選んだ案をおススメ案としてプレゼンをしました。
その時に掛かったプレゼン費用はベンツ2台分(CとかEクラスではありません)です。
1か月以上の検討期間を経て、2案程度に絞られます。
この時、KIRIN社は、過去のCM評価調査のデータを元に、コンテで調査をかけ、ビデオコンテでまたかけて・・・、いくつかの修正を経て、案が絞られていきます。
営業の仕事は、この間、どの代理店のどんな案が残っているかを把握し、決定に絡む方々への根回しが必要になります。
ビデオコンテの制作依頼が来た時には、すでに相手が博報堂でアニメ案だということまで私は掴んでいました。
ここからが本当の勝負です。
自社の企画の狙いと、相手の企画の弱点をさりげなく、決定に絡む方々にアポを取って全国説いて回りました。
その結果、「かんぱ~い!ラガー」という企画が生まれました。
KIRIN社は、AEになると、POSデータまで渡されます。
どの業態(GMS・CVS・DS・酒屋・業務用)で、どの容器(ビン・缶・樽)が誰に売れているのかを日々分析する責任を負います。
そこで、ブランド担当者と一緒に、日々のマーケティング戦略を考え、コミュニケーション戦略を提案するのです。
ですから、ひとつのブランドを担当すると、数10億円ものお金が任されるのです。
そういう環境で仕事をしてきて、2003年にWeb研にお世話になって驚いたことは、10人以上いたネットに詳しい役員たちに、マーケティングに詳しい方々がほとんどいないことでした。
広告主は、宣伝畑であれば、広告主協会に所属する方が多く、Web研に所属する方は広報部・営業部・ネット専業部・お客様相談室などでした。
また、ネットにかかわる会員社の方々は、システム系や平面デザイン系からの方々が多く、ここでもマーケティングの匂いがしませんでした。
そんな中、いろいろ講演も依頼されることがあり、2004年後半にはAISCEASを講演で使っていました。
その頃のDVDもまだ売っているようなので、この中を覗いていただければわかります。
AIDMAは、マーケティングを学べば、SWOT・4Pなどと同じように、「いろはのい」で学ぶことですね。
そんなことは、ネット業界も誰しもが知っていることだと思ったのですが、半年くらい事務局長をやっていて、知らないことに気づき、それを使って説明を始めました。
そんな時に、宣伝会議さんが取材に来られたので、講演資料にあったAISCEASを説明したとこと、この資料を使っていいですか?と聞かれたので「どうぞ」と答え、2005年5月号に掲載されました。
その後、フォロー取材が何回かあり、楽天・Yahooショッピング・ライブドア・goo・TOYOTAさんなどから使用許諾のご連絡をいただきました。
私は、AIDMA自体が独り歩きし、ローランド・ホールの許諾を必要としてないこともあり、電通さんがAISASの商標登録を取ったと聞いた時には耳を疑いました。
「ちいせえな!電通」
Web研の役員からは、「望野さん、AISCEASを電通に売ったんですか?」と聞かれました。
どっちが先に世に送り出したのかも、使用許諾もまったく気にしていません。
私は世の中に、そして、このblogを通じて、少しでも広告業界に恩返しができれば良いなと思っています。
そういうことから、今回も、なるべく具体的に実名を挙げてわかりやすく書きました。
ご迷惑がかかる方々にはお詫び申し上げます。
何か、ご質問等がありましたらメールかtwitter ( k_mochino )までお願いをいたします。
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