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先日、Web広告研究会の6月の月例セミナーに参加しました。
今回のテーマは「マス広告とWEB検索行動の関係~マス×i発想のプランニングを~」であり、講演者は博報堂DYパートナーズの担当部長様でした。
最近、ネット専業代理店のネット側からだけの自分勝手なコミュニケーション理論にうんざりしていたので、大手広告代理店はさすがにマス広告との連動を意識した『消費者サイドからの目線』での分析に心を躍らせて参加しました。
結果、博報堂DYレベルでもこの程度の分析か・・・、とがっかりしました。
要点をまとめると、
1.商品カテゴリーによって検索行動には違いがでる。
→当たり前!
飲料や歯磨き粉などの日用品はAISCEASの法則は当てはまらないと言うのが私の以前からの主張です。
2.テレビ広告や新聞広告は、検索に大きな影響を与える。商品やサービスのブランド力によっては、広告の投下が終わっても、しばらくは検索行動が続く。
→ブランド力のない商品は、テレビ広告をやってもその時だけの一過性効果であり、ブランド力があれば、それがきっかけになって、検索数が増えたまましばらくキープできるということであったが、これも当たり前の分析で、テレビ広告とネットの関係だけではなく、広告と商品・サービスのブランド力の関係自体がそうなのです。
3.検索窓を入れたテレビ広告と入れないのでは、入れた広告のほうがクリックは高い。また、長すぎる文字は検索されにくい。音(効果音や「○○で検索してね!)を入れることによっても検索数は上がる傾向がある。検索文字とランディングページの内容に一貫性があることが重要。
→こんなことも「いまさら??」という感じですね。しかし、テレビ広告のすべてに検索窓を入れたらどうなりますか?それでも、入れたほうがいいのでしょうか?現在、消費者・生活者は、ネットの存在に気づかない人達も多々いるために「気づかせる」為の手段だと思います。
ネットレイティングスの萩原社長と半年前に飲んだ時にすでに「月に100万人以上のUUが視聴している企業サイトをメガサイトと呼んでいますが、ここが最近アクセス数が減ってきているんです。」との証言を得ました。もう、視聴者はどんなところにどのような情報があるのかを理解してきているので、無意味にネットサーフィンをしなくなったのです。
ということは、「気づいている」人が増えることによって、検索窓の効果はなくなるということです。
今のうちだけのことを今更「発見!」と言われても・・・・。なんか違和感が残るのです。
そんなことではなく、検索行動はなぜ起こるのか?ということです。
「本当にほしい情報だけを選び出す。」のが今の時代の検索行動の心理でしょう。
10年前にYahoo!Japanがネット広告を売り始めた次代には、ネット上に広告自体があまり存在しませんでした。
だから、消費者はバナー広告もメール広告もテキスト広告もクリックしてくれました。
しかし、今のネットの世界は広告を避けて通れません。
まるで、「屋外広告」や「交通広告」のようです。
皆さんは、子供の頃からこの二つの広告にいつも接して生活をしてきていますよね?
今日、会社に来る時にいくつの広告に接して、いくつの商品・サービスに興味を抱きましたか?
ほとんど覚えていないのではないでしょうか?
これが、今のインターネット広告の現状です。
ただでさえ情報が多い中で、ネットユーザーもついに、不要な自分に関係のない情報を「すり抜ける」能力を自然に身に着けたのです。
だからこそ、興味のある情報は、深い階層までも探しにいきます。
そして、リスティング広告だけがひとり勝ちするのです。
そんな中、先日、とても面白い体験をしました。
私のマンションは、購入して10年くらい経つのですが、洗面所が突然下水臭いにおいが漂ってきました。
恐る恐る、洗面台の下のドアを開けると・・・。
「!!!」底が水浸しになっていました。。。
これは大変だと思い、とっさにネットを検索し始めました。
このマンションは、大手不動産屋の建築・販売されたものです。
半年に一回は部屋のメンテナンスや下水道の掃除などに来てくれます。また、換気扇や風呂周りなどの掃除をしてくれます。
その会社を探し当て、「生活サポート」というバナーをクリックし、「お問い合わせ」に『洗面所から水漏れしています。至急お見積もりに来てください。』と記入し、送信しました。
この日は、日曜日の午後17時頃でした。
その日は無理なので、平日は不在していることもあり、一週間このままなのかと不安に思いました。
毎日使うものなのに。。。
PCの前に向かっていたら、ふとテレビCMのメロディが浮かんできました。
「♪トイレのトラブル8000円♪」
そうか、その手があった!!
ところが、その先の音楽が、気が動転しているせいもあって浮かんでこないんです。
googleにそのまま「トイレのトラブル・・・」と入れたら、「トイレのトラブル8000円」と検索候補が表示されたのです。
おっ!!世の中にはなんと同じ人が多いのか!などと感動をしながら、あっという間に「クラシアン」にたどり着きました。
しかも、そのサイトには大きく「24時間受付/365日対応」と書いてあり、フリーダイヤルがさらに大きく表示されていました。すかさず電話を取り問い合わせると、すぐに最寄の営業所から電話が入り、30分後にお伺いしますとのことでした。
結果、トラブルの発見から2時間後にはすべてが修理され、日常生活に戻ることが出来ました。(ちなみに部品代を入れて15000円でしたが、とても安く感じました。)
途中、購入した不動産会社から、メールを読んで電話をもらいましたが、このスピード時代にこちらも対応できていて驚きました。
さて、ここまで長い文章を読んでこられて、「結論は何だよ!」とお怒りの皆様に、いよいよ結論です。
Webサイトに誘導する手段としては、インターネット広告ではリスティング広告が一番効率的であり、その他のインターネット広告は「補完媒体」として位置づけるレベルにとどめることがひとつの結論です。
もうひとつの方法は、テレビ広告でしっかりリーチを稼ぎ、ネットやモバイルをやりながらでも耳は空いているので、覚えやすい音楽やフレーズに乗せて視聴者に検索ワードを刷り込むことが重要だろうと思います。
各論ばかりをしていると本末転倒になるので、論点を本筋に戻すと、「検索したくなる心理」はほしい情報であることが前提になりますね?
では、たくさんの人にほしいと思わせるにはリーチが必要です。従いまして、これを伝える手段としては、マス広告以外にありません。
こんな簡単な原則を理解していない人がネット業界に多すぎて閉口します。
マーケティングコミュニケーション=ものを売るために価値を伝える手法
は、「伝える技術に優れたクリエイティブ力」と「たくさんの人に伝えられるメディア力」の両輪が機能して初めて達成されるのもなのです。
生活者や消費者は、ネットだけに接触しているのではなく、常にマスメディアを中心に、屋外・交通広告を含めて接しているので、そこをしっかり理解したプランニングが重要だと思います。
インターネット広告は、ターゲットをセグメントできます。だから、効率良くターゲットに向かってコミュニケーションが出来て、ROI(投資効果)もしっかり図ることが出来ます。
これはこれで、今までの広告投下の概念を変えてしまうほど、素晴らしいポテンシャルだといえると思います。
ただ、最近とても気になっていることがあります。
ターゲットに向かって、コミュニケーションするだけで、人は物を買うのでしょうか?
私のつたないアドマン人生の中でも、これはとても心に引っかかっています。
商品は、情緒価値と機能価値が認識されて、ブランド認識を形成しています。
たとえば、シャネルの香水をつける女性は、男性から「いい香りがするね!」と言われて、「シャネルの5番よ。」と応えたとすると、男性がシャネルを知らないと、何も意味のないことです。
知っているからこそ、女性は高くても買うのです。
これが情緒価値です。
ベンツを買った時、「私もいよいよベンツに乗れる身分になれたんだ。」という情緒価値を満たしたとしても、「ベンツってどんな車??」と愛している女性に言われてしまったら・・・。
また、ドモホルンリンクルは30代から化粧品」ということは、男性も良く知っています。
「初めての方にはお売りいたしません。まずはサンプルを・・」とか、とても自信溢れるコピーが頭の中をめぐります。
その結果、ドモホルンリンクルという化粧品は、しっかりしたコンセプトの化粧品であり、それを作っている再春館製薬の企業イメージはとても高くなります。
周りを取り巻くステークホルダーにとっても、とても良いブランドの状態と言えるでしょう。
強いブランド=継続して買い続けたいと思う商品やサービス
には、情緒価値を補強するためにも、ターゲット本人だけではなく周りの人達にもブランド認識を形成させる必要があります。
ターゲットだけをセグメントして投下するインターネット広告にこの役割を担うことは出来るのでしょうか?
答えは「NO」です。
80年代後半から90年代前半にかけて、「商品を売るなら28歳女性にコミュニケーションをしろ」と言われた時代があります。
当時の28歳くらいの女性は、バブル時代でもあり、可処分所得が多く、また、「男女雇用機会均等法」が施行された当時なので、会社内でも期待が大きく、社会の中でその言動がとても注目されていた時代でした。
車でいえば、彼女たちが「かっこいい」という車にオトコは群がり、彼女たちを意識しながらファッションなどにも気を使っていた時代です。
余談ですが、そんな彼女たちは今は45歳前後でしょうか。独身がとても多い世代です。(笑
テレビCMは、1%の視聴率をいくらで買うかという契約になります。
朝の時間や夕方、23時以降などの1%の視聴率と、ゴールデンタイムの視聴率も同じ1%とみなされます。しかし、効果は明らかに違います。
ゴールデンタイム(Aタイム)の1%の世帯視聴率は、約2名の人が見てます。
その他はおおむね1.2人程度です。
だから、クライアントは広告投下をする時に、ゴールデンタイムがたくさん入っているようにと要望をします。
そこで、Aタイム含有率という指標があり、ゴールデンタイムの割合が絡んできます。もちろん、高いほうがいいのです。
こういうコミュニケーションは、リアルターゲットだけが見ているわけではありません。
車でも化粧品でも、男性も女性も、お年寄りも若者も、一緒に見ているのです。
だから、「あの車良いと思わない?」と奥さんに聞いた時、裏の決定者である奥さんが「これなら使いやすそうね!」というような会話が成り立って、購入に至ります。
場合によっては、「君もたまには藤原紀香のようにあの化粧品を使ってきれいになれよ。」といいながら、お小遣いを渡す旦那がいるかもしれません。
インターネット広告のいいところはたくさんあるのですが、そういう「うねり」を起こすコミュニケーションはとても苦手です。自分に関係ない情報は真っ先に飛ばしてしまうというのがネットユーザーの特徴なのです。
比較的みんなに見られるであろうインターネット広告は、Yahooのトップページの広告枠でしょう。
今年からとても大きくなって、Yahooさんは効果は上がったと言っていますが、ブラウザー設定にしている私でも、広告を意識するのは2~3日に一回くらいです。
今日も、何の広告が表示されていたかと聞かれたら、何も覚えていないので、効果はとても疑問に思っています。
リスティング広告は、まさにターゲットのみの広告です。
ホテルを探している時や、目指している情報を探す時にはとても有効ですが、これで一般商品を売ろうとするには無理があります。
インターネット広告は魔法使いではありません。
特徴をしっかり理解し、目的にあった使い方をしないと、インターネット広告の本来の効果を見失う結果になってしまうと思います。
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