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広告コミュニケーションの効果指標としては、大きく2つに分けることができます。
ひとつは、メディア力としての効果であり、もうひとつは、そこに乗せるクリエイティブ力の効果です。
これは、マーケティングのブランド価値分析が機能価値・情緒価値とで両翼をなしているように、二つの効果が最大化した時に、広告コミュニケーションは最大効果を生み出します。
私は、TV・ラジオCM制作や新聞・雑誌広告、屋外・交通広告、店頭POP・イベントなど、あらゆる広告コミュニケーションに携わってきました。そして、2003年社団法人日本広告主協会 Web広告研究会の事務局長に就任し、ネットの世界に飛び込んでからというもの、ネット広告は拡大すれど、バランスがとても悪い状況で拡大をしていることに驚きます。
結論から言いますと、メディア力に関する研究やサービスはとても充実していますが、クリエイティブ研究があまりなされていないということです。
簡単に言えば、ゴールデンタイムの良いポジションを買ったにもかかわらず、CMは完成度が低く、結果、認知率も商品理解度・好意度などもまったく上がらないという状況に似ています。
これでは、広告主は「ネット広告は効果がない!」と予算を減らす方向に来るのは当然です。
だからこそ、今やひとり勝ちだったYahoo!でさえ前年実績を達成するのが精一杯であり、バナー広告を始めとするネット広告の衰退になっていくのです。
唯一伸びているリスティング広告も、文章がとても大切です。
これは、まさにクリエイティブ力。
Yahoo!のニュースタイトルを考えている方ぐらいのスキルがないとなかなか競合と見比べて、クリックしようとはしません。
ひとつの例ですが、弊社もいくつものサイト制作を請け負っています。
そのコンテンツを作るにあたって、広告業界とあまりに違う担当者の役割分担と作業工程に戸惑います。
まず、このサイトにはどのようなコンテンツが必要なのか。
総合広告代理店の場合は、誰が考えるのでしょうか。
そのブランドのすべての特徴と競合のすべてを理解していなければなりません。
(CM制作も当然この理解分析から入ります。)
従いまして、ここは弊社はマーケティングディレクターである小関が担当します。
小関は、私と同じADK出身で、マーケティング部のエースでした。
彼と私とで、コンテンツの骨子を企画します。
でも、ネット専門代理店やWeb制作会社には、この機能を持つ会社が極めて少ないですね。
では、次に、その表現方法は誰がどのように進めるのでしょうか?
総合広告代理店の場合は、先ほどのマーケチームにクリエイティブチームが参画してきます。
クリエイティブの全体統括を行うのがCD(クリエイティブディレクター)、その下にディレクターがつくケースが多く、CMの場合は企画を考えるプランナーと伝える言葉を考えるコピーライター、平面デザインを担当するアートディレクターなどがチームとなります。
この下に東北新社・ピラミッドフィルム・TYO・ロボットなどの制作プロダクションが参加します。
サイト制作の場合、弊社は全体プロデュースと企画を担当しているので、実際の制作作業は外注することになります。今は、日本でも有数の大手Web制作プロダクションと組むケースが多いのですが、そこでは窓口になる営業さんとデザインやシステム構築をスタッフにディレクションする方が1~2名というチームになります。
そこで、広告の場合、クリエイティブにそれぞれのプロが存在し、どうすれば「伝わる」か必死に組み立てていくのですが、サイト制作プロダクションの場合、どうすればきれいに仕上がるか、見栄えがいいか・・・、そんなレベルで止まっていることを強く感じます。
でも、冷静に考えると、仕方がないですね。
彼らの中で、広告コミュニケーションを経験した人は極めて少ない。。。
システムにめっぽう強かったり、デザインとしてはとてもキレイに作ったりはできます。
でも、それでは伝わらないんです。。。
それは、クリエイティブではないんです。
弊社は、トップページにブランドを語るフラッシュを入れることをオススメしていますが、このワードも、予算があれば広告のコピーライターを入れています。チラシや雑誌記事を書いているコピーライターではありません。
たった1~2行の文字で、競合を渡り歩く消費者の足を留めなければなりません。
競合他社との特徴の違いを明確に出さなければならないのです。
これを作り上げるのに、クリエイティブディレクターになりうる人がいないわけですから、プロデューサーである私が兼任する事になります。
仕事の進め方のテクニックも未熟な人が多く、サイトのトップページに各コンテンツの導入用のバナーを作成することになっても、まずは1案しか作ってこない。。いくつか見せてほしいというと、その色を変えてみたりする。でも、それはバリエーションであって、2案目ではないんです。
方向を3つくらい違うものを出して、方向が決まったらバリエーションを出して決定する。これが一番早い決め方なんです。
皆さん、服を買いに行って、一つだけ見せられていきなり買いますか??
まず、形をいろいろ吟味して、方向性と色のバリエーションを検討しませんか?
デザイナーは、まず、部分最適を考えてきます。
バナーのデザインがどうなのかを彼らは一番気にしているようです。
だから、バナーデザインだけの最適を考えるのです。
しかし、消費者はサイト全体を瞬時に見ています。
ちょうど、八百屋さんが野菜を並べているようなものです。
そこには、どういうものをどのように並べるか、今日、たくさん仕入れて売りたいものをどのように目立たせたらいいか、その並べ方は消費者の人が野菜を買うのに適した並べ方(導線)になっているか。
全体最適を考えなければいけないのです。
このバナーがここに入った時に、色やデザインがなじみすぎて伝えたい文字が目立たなくなっていないか、本当に伝えたい言葉がそこに入っているか、デザインのトーン&マナーは合っているか。
たった一つのバナーでも、そういう視点で考えなければ伝わりません。
いろいろ書きたいことはまだまだありますが、私の今の作業の愚痴を言っているような内容になってしまいました。スミマセン。
決して、そういうことではありません。
ネットのクリエイターは、広告のように先輩がたくさんいて、実践に参加できるクリエイターになるまでに10年とかかかるわけではないわけですし、15秒やページ数、15段などの時間・スペースに制限があるわけではありません。
若い人たちが活躍できる環境はそろっているわけです。
以上のことから、ネット広告に携わる人たちは、いつもどうすれば「伝わるか」を考えてみてください。
おかげさまで、弊社にも多々売り込みの制作会社様が多いのですが、この話に共感をしていただける方々には是非お会いしたいと思います。
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コメント (2)
これぞまさしく、日々、現場で考えていることです!
私自身は、外資系代理店でコーピーライター、CD出身、現在、某WEBプロダクションのCDですが、現場でコトバが通じない!という、カルチャーショックを感じています。「たとえMEDIAがWEBになろうと、コミュニケーション方法がWEB2.0になろうと、何だろうと、マーケッティングの基本、ストラテジー及び広告コンセプトというものの必要性(不可欠)は、変わらない」と思っているのですが、WEBの現場では、大きなズレを感じます。ご意見をお聞きする機会をくだされば幸いです。
投稿者:いけまつみどり | 2007年10月23日 15:28
日時:2007年10月23日 15:28
いけまつさん、望野@アンヴィです。
ご意見をありがとうございます。
共感をしていただいて、大変嬉しく思っております。
伝えることは、テレビも新聞もネットもPOPもまったく一緒ですよね?メディアによって言い分ける必要はありません。
ただ、映像を使って15秒で伝えるか、ビジュアルと文字だけで伝えるかという伝え方を変える必要があるだけですよね。
その商品やサービスの本質を理解しないで、サイト作りをしようとするのには無理があります。
伝わりません。
お時間が合えば、是非意見交換をしましょう。
一緒に仕事ができるかもしれませんね。
投稿者:望野 | 2007年10月23日 15:50
日時:2007年10月23日 15:50