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昨日(6月13日)に、オーバーチュアから『【緊急報告】システム不具合発生報告』という件名のメールが届きました。オーバーチュアに出稿している方々には、もれなく(?)届いたかと思います。
4月以降から、オーバーチュアは今後のサービス変更に伴い、管理画面での出稿金額やワードの変更など、「簡単にできるはず」のものが、システム変更によって使えない時期がありました。常にコンバージョンと見比べて、このあたりを簡単に最適化できるのが売りだったはずなのに。。。
これだけでも、十分に頼んだ商品と違うものが納品されているわけですから、何らかのお詫びがあってしかるべきだと思います。しかし、オーバーチュアは、「本国(USA)がやっていること」という認識で、罪の意識がないからあきれます。
そして、今回は、掲載されるはずの広告が掲載されない状況になりました。
それも、「現在、USで調べています。」でおしまいです。
おい!ちょっと待ってくれよ!!
クライアントは、キャンペーンの時期を決めて、店頭に大量に商品を積み上げたり、値引きしたり、いろいろな施策をしているんです。
そのために、そのキャンペーンの認知率(到達人数)なども計算してやっているんです。
その計画が崩れている責任をどう考えているのだろうか。
テレビでも、昔から「放送事故」というものはありました。
突然電波障害とか送信システムの異常で、番組やCMが流れなくなってしまう事故のことです。そんな時は、翌日の朝から、テレビ局と広告代理店は、テンヤワンヤです。
まず、事実を確認して、クライアントに報告に行かなければなりません。
たった1本のCMが飛んでもです。
そして、その保障も用意しなければなりません。
広告業界では、「放送事故は3倍返し」という原則があります。
仮に10%の番組のCMが飛んだら、30%以上の総視聴率になるところを別途放送しなければなりません。この場合、1本の3倍だから3本ではありません。テレビ広告は視聴率が売買の目安だからです。
しかし、これでクライアントは納得したり、満足したりしているわけではありません。
良く考えてみてください。
仮に、飛んでしまったそのCMがクリスマスケーキのCMだったらどうでしょう。
翌日に報告に行っても、保障はその日には出ません。飛んでしまっているCMは1社だけということはほとんどなく、数社または数十社というケースになることと、3日以上先までは確実にCM枠は埋まってしまっているからです。
クリスマスに視聴率10%のスポット1本飛んでしまったら、全国4700万世帯の10%の470万世帯にCMを見てもらえなくなってしまうのです。
これで、クリスマスケーキは、予定通り売れると思いますか?
そんな状況でも、正月明けに30%の総視聴率で納得してもらいます。
でも、その時に流すCMは明らかに「クリスマスケーキ」ではありませんよね?
こういうことをネットメディアの皆さんは、どう考えているのでしょうか?
また、ネットを扱っている広告代理店は、どう保障を要求しているのでしょうか?
ちなみに弊社は「最低3倍返し」を主張しています。
テレビ局は、つい最近まで、免許事業でもあることから、総務省からCMや番組の内容をすべて「目視」するように指導を受けていました。
「目視」ですよ、もくし!
自局のすべての放送を社員がテレビの前で「目視」していなければならないのです。
CMもしっかり流れているかを確認するのです。
テレビ局によっては、新入社員が交代で行ったり、順番を決めたり、内緒で派遣社員にやらせたり・・・。
ネットの世界はどうでしょう。
100万を超えるインプレッションをすべて確認した人はどれだけいるのでしょうか?
宣伝部の人たちは、テレビのバイイングも一緒にやっているので、ネット広告が信頼できないと思っている人はとても多いと思います。なかなか効果が出にくいから、余計そういうふうに感じるのでしょう。
私は、日本広告主協会Web広告研究会の事務局長時代に、広告主が漏らしたそんな感想をたくさん聞いていました。
今回の事故は、とても大きな事故です。
オーバーチュアの取るべき態度によっては、ネット広告自体の信頼も揺るぎかねません。
是非、納得できる対応をしていただきたいと思います。
ソフトバンクのナンバーポータビリティ解禁時の事故のように、一定期間の料金は請求しないくらいの度量を見せてほしいものです。
バナーやテキストなどのWeb広告が頭打ちになった今、今後伸びる要素を抱えているのは、間違いなくリスティング系です。
良識ある判断を求めます。
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