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体からバラの香りガム、中年男性に人気
(日刊スポーツ記事抜粋)
加齢臭が気になり始めた中年男性向けに発売された、かむと体からバラの香りが発散されるというガム「オトコ香る。」(カネボウフーズ、126円)が、あまりの人気に生産が追いつかず、全国販売再開が10月にずれ込む見通しとなっている。「オトコ-」は7月10日に発売されたが、同月下旬に販売休止。今月7日に販売が再開されたが、首都圏の1都3県のコンビニしか出回っていない。
ガムにはバラの香りの成分が配合され、かんでから1~2時間で、汗腺から香りが発散されるという。カネボウフーズは予想以上の売れ行きに喜びながらも「生産が追い付かず多数のおしかりを受けている。販売休止の影響で消費者の“熱”が冷めたかもしれない」(広報部)と、頭を抱えている。
業界では年間売り上げ10億円が「ヒット商品」のラインとなっているが、「オトコ-」の売り上げ目標は1億円。テレビCMや新聞、雑誌の広告展開は全くなく、大して期待されていなかった商品ともいえる。それが、口コミなどによって中年男性に広がっているとみられるという。同社では「男性のオシャレに対する意識が変化し、香りに対して敏感になっている証拠」と分析している。
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売上目標が1億円というレベルでは、確かにTVCMなどは使えません。
サプライズのある商品は、パブリシティやブログなどのCGMによって売れる典型的な事例ですね。
加齢臭の気になる私も買ってみようかな。
今年3月下旬に発売をした資生堂「TUBAKI」は、年間目標の累積売上100億円を8月末には達成する見込みだと発表されました。
以前、このブログに書いたように、資生堂さんのシャンプーシェアは4番手でした。
それが、この短期間にトップへの躍進です。
最近、テレビCMが効かないとか、ネット広告が主流といった風潮が流れる中、堂々とテレビ広告中心に展開してきた結果の出来事です。
確かにテレビ広告は、昔のように、誰にでも届くメディアというような解釈をしてはいけないと思います。また、コミュニケーションの手法も大きく変わってきています。
しかし、そんな環境化において、従来の手法でブランド構築できる商品群も存在していることを理解しておくべきだと思います。
仮に、これをテレビ広告を使わないでやろうとしたら、可能でしょうか?
ネット広告やプロダクトプレースメントなどでは、絶対にできないことでしょう。
テレビ局や大手広告代理店も、ネットに比べてとても歴史があり、とても優秀な人も存在しています。
したがって、今の環境を打破しようといろいろな手法を考えています。
また、日本は、アメリカと大きく異なる環境があります。
アメリカは、早くからケーブルテレビが主流で300チャンネルの時代でした。日本は、民放キー5局とNHKだけといっても過言ではありません。
日本のテレビに対する視聴態度とアメリカの視聴態度は明らかに違っています。
日本人は、アメリカ人に比べて、選択肢の少ない分、テレビ局が番組にかけられるお金が豊富なために、優秀なコンテンツが凝縮された番組を見ることができています。
したがって、テレビに依存する態度がおのずから違っています。
また、日本には、海外にないCM販売の特徴があります。
それは、番組提供という、番組の中に流れる30秒のスポンサー広告枠が存在しているということです。
諸外国には、この概念がないので、番組と番組の間に流れる15秒のテレビスポットが中心となります。
アメリカで番組提供として全米ネットで販売されているのは、スーパーボウルくらいしかありません。だから、スーパーボウルは提供料金がとても高く、バドワーザーなどがそれ専用のCMを打つので、とても注目されています。
これらの日本とアメリカの環境の違いから、日本では、このような日用品であり廉価品である商品は、どんなにネット広告が主流になっても、影響を受けにくい存在であると思います。
(もちろん、効果・効率は明らかに劣ってきていますが)
また、機能価値の高い商品は、企業サイトやネット広告を重視してゆかなければ、コミュニケーションは成り立たない時代に入っているので、テレビ広告の予算は、ネットに振り分けられてくるでしょう。
そうなれば、機能価値の高い商品は、ますますテレビ広告の出稿が少なくなるので、日用品であり廉価品である商品のテレビ広告は、今以上に注目を浴びる環境になると思います。
ただし、今回の「TUBAKI」の成功は、決してテレビ媒体だけのチカラではありません。
ここに登場する日本を代表する女優さんたちや、音楽を担当したSMAP、そして「日本の女性は美しい」という強い広告メッセージがあったからこそだといえます。
広告は、どんな方法で伝えるかも大切ですが、「何を、どのように」伝えるかもとても重要です。
この広告を担当したADKの後輩諸君には、「いい仕事をしましたね。」とエールを贈りたいと思います。
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