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ブランドとは何か。
なかなかひと言では定義できない厄介なものです。
私自身は、強いブランドを「他の商品やサービスと極めて大きな違いを特徴に持ち、ロイヤルな顧客を持った商品やサービス」と理解をしていますが、それだけではまったく言葉足らずでしょう。
そこで、私はブランドのお話をするときに、「人格」に置き換えて説明をすることが多くあります。
たとえば、「キムタク」というブランドと考えた場合(男性の場合は、松嶋菜々子とかに入れ替えて読んでください)、キムタクをどうして好きなのかと質問をします。
彼のスタイルがかっこいいとか、目が可愛いとか、男らしいとかいろいろあるでしょう。
でも、ある時に子供に接する姿を見て、やさしさに感動することもあるかもしれません。
そうです。
ブランドとは、「その人の心の中だけに存在する印象の集合体であり、常に変化をしているもの」なのです。
ということから、ブランド力の調査なども、やり方によっては、まったく意味がないことにもなりかねません。今現在の印象しか聞けていないからです。明日以降、もっとすごくやさしそうな妻夫木君を見てしまったら、そして、彼から直接声をかけられてしまったら、キムタクより好きになってしまうかもしれません。
ブランドは、常に競合と競っています。
だからこそ、他の追随を受けにくい特徴を持たなくてはいけないのです。
ブランド論を人格に代えているのですから、「機能価値」と「情緒価値」についても考えてみると、「機能価値」は、キムタクの収入や私をやさしく包んでくれそうなどということになるでしょう。「情緒価値」は、キムタクと腕を組んで歩いているところを人に見られたら、羨ましがられるだろうななどという優越感なのかもしれません。
そういう中で、私が以前ADKで11年間担当していた「KIRINキャンペーンガール」を例に出して説明しても成り立ちます。
私は、初代の飯島直子から11代目のキャンペーンガールまでをオーディションで選出してきました。
この中には、米倉涼子や中島史恵などもいます。
しかし、後の8人は、その後あまり活躍をしていません。
キャンペーンガールの出身で、芸能界で長く活躍できることは極めて少ないのです。
なぜだかわかりますか?
キャンペーンガールは、企業の顔として活躍するわけですから、「品行方正ですべての人に好かれる」ことが重要になってきます。
そういう背景から、キャンペーンガールを卒業するとすぐに売れる子も確かにいます。
藤原紀香や今では伊東美咲などがそうです。
彼女たちに必ずあるものは、「清潔感」「フレッシュ」というようなキーワードでくくれる要素が中心です。
しかし、こういう子達は、必ず勢いが止まります。
なぜなら、毎年、同じ要素のキャラクターが出てくるからです。
その間に、新しいキャラクター要素(他にない特徴)を作り出さなければ、生き残れないのです。
では、どうして飯島直子や米倉涼子が残ったのか。
飯島直子は、昔から天性のあけっぴろげな性格(直ちゃん失礼!)から、親しみやすさが際立っています。スタッフからもとても可愛がられていて、また一緒に仕事したいと思わせるチカラが凄かったですね。
最近では、演技の幅も膨らんで、彼女の領域ができてきました。
米倉涼子は、周りの意見に振り回されず、いつも自分の信じた道を歩んでいる子でした。
キャンペーンガール卒業後に、オスカーには数多くの仕事が舞い込んでいましたが、当時彼女は仕事を続けたくないという理由で、ほとんど、仕事を請けていませんでした。
あるとき、あることがあって(秘密です)、仕事にやる気を見せてからというもの、皆さんのご存知の通りの活躍です。
彼女にも、そういう特徴がありました。
「他にない際立った特長」を持つ商品やサービスは、サプライズがあるので、BUZZを起こしやすく、口コミやCGM(blog・SNSなど)で広まりやすくなるのです。
この考え方は、合コンにも通用します。
男5人が女性5人と合コンをしたときのことを考えてみてください。
自分を売り込むのに、他の4人にない特徴(異性が喜ぶことが条件ですが)を見つけてアピールしてみてください。
そうすれば、彼女ができる糸口が見えるかも・・・。
あ!人のことを心配している場合じゃないか。。。
広告業界に早27年の歳月お世話になっています。
いろいろな広告を創ったり、見たりしてきました。
その中でも、特にTVCMは時代を反映する社会の鏡でもあります。
テレビで昔のCMを扱っているのを見ていると、その頃のことが思い出されてきます。
流行った言葉だとか、タレントだとか、音楽だとか・・・。
ある意味、CMがその時代の文化を作り上げて来ているとも言えます。
現在のCMを20年先に見たら・・・、
「TEPCOひかりに決めたのは~♪」
これを見ると、ブロードバンドと光ファイバーが一気に普及して行った時代だとすぐに想起されるでしょう。
その頃には、懐かしく思えるようになっていると思います。
(私は生きているかどうかはわかりませんが・・・。)
また、昭和天皇が崩御された時、3日間もテレビにはCMがカットされ、新聞にも広告はなく、街のネオン広告が消されたことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
その時は、私も子供の頃から広告に接触しない時間を過ごした経験がなかったので、ある意味戸惑いを感じました。
デジカメというものが売り出されているらしいけど、何を買えばいいのだろう。どのメーカーのどんな特徴が優れているのだろう。
今そうなったら、そんな迷子になってしまうと思います。
(ネットのblogなどを参考にできる時代にはなりましたが・・。でも、まだ伝えられる人数にはかなり制限があります。)
そんなCMも今や企業の考え方を測る尺度となってきています。
私たちは、その企業の「トーン&マナー」と表現をしますが、その企業の「人柄」を表すメッセージでもあります。
キリンビールのようにまじめな会社がまじめに楽しくなるCMを創る。
TOYOTAのように信頼あるしっかりしたCMを創る。
HONDAのようにアイデア溢れる夢のあるCMを創る。
資生堂のようにとてもキレイにCMを創る。
これが、各社の「人柄」を表す、はずしてはいけない約束の「トーン&マナー」です。
今、企業は社会の一員として、社会に対してどういう価値を提供するかを問われています。
その背景には、数年前に多発した数々の企業の不祥事による消費者の不信感にあります。
そして、ネットが普及して、消費者は自由に企業への不満をぶつける手段を持ちました。
今までなら、クレームの本人だけと対処すれば良かった企業が、ネットで書き込まれたりすると多数の方々に伝わってしまうので、消費者との対話が重視される時代になりました。
だからこそ、企業の価値を高めるため、企業はCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)やブランドプロミス(ブランドからの約束)にもチカラを注ぎ始めました。
そんな環境化の中、先日、何気なくテレビを見ていると、天海祐希が「豆うめー!」と叫ぶCMが流れました。私は、昔から、女性のこういう乱暴な言葉が大嫌いです。非常に不愉快になりました。
なぜ、こういう汚い言葉をあえて使おうとするのでしょうか?
※ちなみに彼女はそういうキャラクターでもあり、私は嫌いなので、彼女の出演番組は一切見ないことにしています。でも、番組は避けられるのですが、CMは避けられないので、一種の暴力とさえ感じました。
クリエイターは、とにかく目立つコピーをひねり出そうと必死です。
でも、目立てばいいのでしょうか?
合コンで女の子に認めてもらいたいがために、大声ではしゃぐことが好意に結ぶつくと本気で考えているのでしょうか?
そこで、私はこんなに不快な思いをしたことがなかったので、この「十六茶」のCMの広告主であるアサヒ飲料さんにこれらの意見を求めました。
(断っておきますが、私はけっしてクレーマーではなく、今回が生まれて初めての経験です。)
ご丁寧な返信を頂きましたが、私の質問内容とは的が外れていました。
私は、数々のCM制作の経験の中で、私が創ればこんな下品なコピーで楽をしない自信があります。
このCMの狙いは、天海さん扮するビジネスマンが、数々のストレスから解放される瞬間に、十六茶の機能価値である「豆」のうまさを表現するというものですが、そこに行き着くまでの猫ひろしの無意味なカットやベンチでの変な「間」などを使うのではなく、極限状態のビジネスのストレスシーンを強調することにより、一気に開放するというような理にかなった演出をしたと思います。そうすれば、「豆うめー!」の言い方も変わって来ると思います。
ここで皆さんにお伝えしたいことは、企業として社会責任があるということです。
CMは、テレビを見ている人に突然メッセージを投げつけてきます。
だからこそ、社会の一員として、我々に自分勝手のために不快な思いをさせてはいけません。
これは、最低のルールだと思います。
今は、パーミッションマーケティングが注目されています。
消費者と企業が信頼関係を結んでメッセージを受け取ることを許容するマーケティングのことです。
代表的なものには、ネット上で行われるCRMでメルアドを企業に教えることから始まることがあげられます。
このマーケティング手法は、「未承諾広告」ではないため、メールでも開封率が高く、好意的なのでものを売りやすい状況になります。
本来、アサヒ飲料さんの宣伝ご担当や代理店などが、この概念を理解していれば、こういうCMは生まれなかったと思います。
ITによって、時代は大きく変わってきています。
でも、昔の成功体験を持った人たちは、これらについていけません。
水風呂に入ったカエルになってはいけません。
カエルは、皮膚が厚いため、水がどんどん熱くなり沸騰しても気づかずに、やがて茹で上がって死んでしまうのです。
企業は、今後私たち消費者とどう共存していくのかを真剣に考える時期に来ています。
もう、たくさん作って、たくさん広告を打って、たくさん売る時代は終わったのですから。
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