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どうやら、ライブドアはニッポン放送の議決権を確実なものにし、次はフジテレビ株のTOBを目指すことになったらしい。まだ、ニッポン放送の新株予約権発行差し止めを命じた仮処分の東京高裁の判断待ちというわずかな望みは残っているが、ニッポン放送の主張する「企業価値の低下」は理解が得られにくいだろう。
なぜなら、メディアとしての価値として、ラジオ広告費は昨年実績ですでにインターネットに抜かれてしまっており、今後、同じ音声放送メディアとしての位置づけならば復活は望めないからである。
ただ、この2月3月という時期は、メディア営業にとっても広告代理店にとっても、とても大事な時期でもある。
番組提供スポンサーが4月からの改編期に継続してくれるかどうかの交渉をしている時期だからである。ニッポン放送の看板番組であるショーアップナイターなどのスポンサーをいかに継続してもらうかをこの時期に交渉しており、スポンサーは、多分、ナイターの聴取率が下がってきていることと、年齢層があがってしまってきていることなどを理由に、降りてしまうか料金を安くしようとしている。
そんな時に、ライブドアが経営権を握った場合、今後の番組制作や編成方針がどうなるかを見極められないため、それを理由に降りてしまうことが想定される。
そうなったら、企業価値は低下する事になるので、そういう観点で主張をするのなら理解はできるのだが・・・。このあたりは、いつかは覚悟をしておかなければならない問題だから、企業価値の議論には影響はないのかな。
また、テレビ自身は安定なのか。
ビデオリサーチの調査によると、過去5年のセットインユース(テレビのチャンネルをつけている割合)は減っておらず、相変わらずテレビ広告費は堅調に推移している。
しかし、本当にそうなのか?
ACR・国民生活時間調査や他の調査でも、最近接触しなくなったメディアという質問で、40%以上の人たちがテレビを上げている。
この違いは何なのか。それは、テレビはつけているが「見ていない」ということになる。もしくは、テレビを見ながらネットをやっている(携帯iモードなどを含む)という状況だろう。
現にブロードバンドユーザーの8割の人たちが、テレビとパソコンが同じ部屋にあると答えている。
また、私も最近SONYの「スゴ録」を買って驚いたのだが、自動的にお笑いやドラマ、スポーツなどの好きなジャンルを勝手に録画してくれているので、時間のあるときに見たいものを自由に見ている。しかもチャプターごとに再生ができるので、CMはストレスなく飛ばしてしまい、結果的には54分番組を40分程度で見られることになる。
また、日本代表サッカーを予約して、放送開始の19時までに帰れなくても、放送途中の20:30から頭出しで最初から見ても、最後まで裏で録画を続けてくれる。これは、とてもありがたい。限りなくリアルタイムで見られるからだ。でも、この時も、CMは飛ばしてみてしまう。
このような環境化で、ニッポン放送もフジテレビも、ライブドアと組むことが本当に企業価値が落ちると思っているのだろうか。
他にいろいろ仮題はあるものの、この議論に関してはまったく根拠のない視点だと思う。
どう考えても、テレビやラジオが本格的にネットと融合して、新しい価値を見出す方が、日テレ・TBSなどと明らかに差別化したメディアになれると思うのだが・・・。
このニュースには、本当に毎日目が離せない。
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