最近、このサイトのログを見ているとAISCEASと検索して入ってくる人が急増しています。gooの中嶋副社長や国枝さんがWeb2.0を説明する際にもお使いいただいていたり、ネット広告代理店の最大手オプトさんの研修資料にもお使いいただいたりしているからだろうか。1年以上前から提唱してきて、本当に嬉しい限りです。
しかし、これを受けた人が、本当の狙いをしっかりご理解いただけているかどうかは、甚だ疑問です。
私の講演では、ここに行き着くまでのマーケティングに関するシナリオがあります。
まずは、4Pだけでは物が売れなくなったという認識から入っています。
4P→製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの「P」を完璧にすれば物は売れ、売れないときは、この4つのどれがいけないのかを分析するというものです。
大量受注・大量販売で「売り切り」「買い替え」が一般的であったバブル経済の時代と、物を吟味して慎重に選び、テレビなどのマス広告よりも友人などからの勧めでものを買うネットマーケティングの時代とで一番変化している認識は、「消費者の存在」です。
したがって、現在は、4P+消費者行動を一緒に考えてゆかなければならないということです。
次に、商品やサービスには、必ず「エモーショナルベネフィット(情緒価値)」と「パフォーマンスベネフィット(機能価値)」が認識されてブランドを意識することは、マーケティングを勉強している人には常識ですよね。
これを事前に語らずして、AISCEASが語られているケースが非常に多いと思います。
「今の消費者の購買行動はこうなってきています。」と平気で言い切っている方々を多々お見受けしますが、本当にそうなのでしょうか?
では、KIRINの「生茶」や「FIRE」は、広告に接触して、興味を抱いたら、検索をするのでしょうか?そして、「伊右衛門」や「GEORGIA」と比較・検討してから購入するのでしょうか?
ほとんどの人は、のどが渇いて、目の前にあるベンダーの中から、比較・検討して購入をしているはずですし、コンビニやスーパーでも、その棚の中で比較・検討して購入しているはずです。
これは、いくらネットが普及しても発達しても変わらない購買行動だと思います。
これで、今は「検索の時代」というひとことで片付けてはいけない理由がお分かりいただけたでしょう。
結論は、まず、消費者がAISCEASという購買行動をとるのは、あくまでも「機能価値の高い商品やサービスだけ」であるということをご理解いただきたいと思います。
AISCEASについては、奥が深いので、この先は次の機会に書くとして、では、情緒価値の高い商品やサービスを提供している企業は、自社のWebサイトをどのように使っていけば良いのかということになりますが、これは「ブランディング」を目的として企画運営するべきだと思います。
「こんな素晴らしい会社が作っているのだから、おいしいジュースに違いない」という信頼感の醸成と消費者との絆を強めてゆくのが筋でしょう。
そのためにも、その会社の技術の集約として、サイトだけでしか買えない高付加価値・高機能の商品を発売したりすることも有効な手段です。
キリンビバレッジの技術を集約して作った「究極のペット飲料」とか「エイジング飲料」などをネット会員だけに向けて販売をしてゆくのです。
そうすれば、これを買って価値を認識した人たちは、生茶やFIREを選んで買ってくれるようになりますし、BUZZを起こしてくれる「推薦者」に変化を遂げてゆくのです。
AISCEASは、マーケティング全体だけでなく、ネットマーケティングとして語ったとしても、ごく一部の購買行動分析モデルに過ぎません。
これだけで、消費者の行動がすべて変わったというような発言は、大きな問題でしょう。
本来、私は、これを整理した目的は、昔のようにテレビや新聞で大量に広告を流せば、消費者がAIDMAの行動をとる時代から、消費者のそれぞれの感情段階で、接触するメディアが変わったということを伝えたかったのです。
この次にその点を書いてみたいと思います。
お楽しみに。
11:37
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